バイナンスUS、チョークポイント2.0を生き延びて米ドルの入出金再開
  • バイナンスUS(Binance.US)の顧客は再び、ACH(Automated Clearing House:アメリカで主流の銀行間電子送金)を使ってUSD(米ドル)を出入金し、160以上の暗号資産(仮想通貨)を取引できるようになった。
  • 同社のUSDの出入金機能は、バイデン前政権下で事実上停止されていた。

米国の顧客にサービスを提供する認可済みの暗号資産取引所バイナンスUSは、ついにUSDの入出金サービスを再開した。同社はバイデン政権下で、USDの取扱いが事実上停止されていた。

同社によると、USDサービスへのアクセスは2月19日から開始され、今後数日間で対象となる顧客全員に段階的に展開される予定。同社は声明で、ユーザーはACHを通して手数料無料でUSDの入出金が可能になり、160種類以上の暗号資産の売買、交換、取引を引き続き行うことができると述べた。

ゲーリー・ゲンスラー委員長が率いた米証券取引委員会(SEC)は、FTX崩壊後、取り締まりを強化し、バイナンスUSDが何らかの罪を犯しているに違いないと判断、同社を徹底的に排除しようとした。同社は数十億ドルを失い、従業員の70%を削減せざるを得なかったが、2023年7月から現在まで、暗号資産間の取引のみを扱う取引所として運営を続けている。

「法定通貨の取り扱いを失う前、当社はクラーケン(Kraken)と肩を並べて、米国で2番目か3番目の規模を誇る取引所だったが、『Operation Chokepoint 2.0』やSEC、その他すべての混乱によって、明らかに大きく後退してしまった」とバイナンスUS最高執行責任者(COO)のクリストファー・ブロジェット(Christopher Blodgett)氏はインタビューで話した。

「我々は、コスト構造や規模の最適化の面で非常に困難だが健全な決断を下してきた。我々はかつてないほどスリムで効率的になり、優れた製品を適正価格で提供する準備が整った。そして今日がその日だ」(ブロジェット氏)

現在、同社は複数の銀行がパートナーとなっており、本日、取引を開始するところもあるという。ただし、現時点では企業名は明かされていない。

バイナンスUSはグローバルに展開する暗号資産取引所バイナンス(Binance)と提携しているが、独立した米国企業として運営されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN編集部
|編集:橋本祐樹
|画像:Shutterstock
|原文:Binance.US Restores US Dollar Deposits and Withdrawals After Surviving Chokepoint 2.0