イーサリアム開発者、クロスチェーン取引を簡素化する新たなイニシアティブを発表

- イーサリアムの開発者およびリーダーは2月19日、クロスチェーンのトークン移転を簡素化し標準化する新たなフレームワークをリリースした。
- この取り組みは「オープン・インテント・フレームワーク(OIF)」と呼ばれ、イーサリアム財団の貢献者によって立ち上げられ、25のプロジェクトによってサポートされている。
- このイニシアティブの目標は、イーサリアム・エコシステムのあらゆる場所に「インテント」を導入することだ。インテントとは、ブロックチェーンのユーザーが仲介者に特定の目標(売買やトランザクションなど)を依頼できるようにする技術的機能を指す。
イーサリアム(Ethereum)のトップ開発者グループとリーダーが2月19日、クロスチェーンのトークン移転を簡素化し標準化する新たなフレームワークを発表した。
CoinDeskに共有されたプレスリリースによると、このイニシアティブは「オープン・インテント・フレームワーク(Open Intents Framework:OIF)」と呼ばれ、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の貢献者によって立ち上げられ、アービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)、ZKsync、スクロール(Scroll)などのレイヤー2を構築するチームを含む25のプロジェクトによってサポートされている。
このイニシアティブの目標は、「インテント」をイーサリアム・エコシステムの隅々にまで浸透させることだ。インテントとは、ブロックチェーンのユーザーが仲介者に特定の目標(売買やトランザクションなど、ユーザーが希望する取引)を達成するよう依頼できる技術的機能だ。
すでにインテントを使用してクロスチェーン取引をより簡単にしようとしている標準規格もいくつか存在する。分散型取引所(DEX)のユニスワップ(Uniswap)とAcrossプロトコルの開発チームが発表したERC-7683は、最近イーサリアムで話題になっている標準規格のひとつであり、断片化に対処し、エコシステム内のより多くのチェーンが相互運用できるようにすることを目的としている。
しかし、OIFチームは、その標準を基盤として、インテントを大規模に機能させるためのフレームワークを構築すると主張している。「共有インフラと実行の調整を提供することで、OIFはインテントベースの取引を許可不要で効率的かつすべてのプロジェクトが利用可能なものにする」とプレスリリースには記載されている。
「イーサリアムエコシステムのマルチチェーン化が進むにつれ、インテントは専用ソルバーによるシームレスでほぼ即時のクロスチェーン取引を可能にすることで、断片化されたユーザー体験の合理化に役立つだろう。しかし、インテントの統合は依然として複雑でリソース集約的であり、インフラの標準化、採用への障壁の低減、エコシステム全体にわたる幅広いコラボレーションの促進には、オープンなインテントフレームワークが不可欠だ」と開発チームはCoinDeskに述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ethereum Developers Release New Initiative to Simplify Cross-Chain Transactions