欧州中央銀行、分散型台帳取引の決済システム開発へ
  • 欧州中央銀行(ECB)は、分散型台帳技術による取引を法定通貨で決済する方法の開発を検討していると述べた。
  • ピエロ・チポローネ(Piero Cipollone )理事は、「これは、イノベーションを通じて欧州金融市場の効率性を高めるための重要な貢献だ」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)は、ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)を支える重要な機能に関する取り組みを拡大する中で、分散型台帳技術(DLT)を使った取引を法定通貨で決済する方法の開発を検討していると発表した。

同銀行は、DLTを利用するために2段階のアプローチを計画している。分散型台帳とは、大規模なネットワーク内の個々の参加者によって独立して維持・更新される分散型データベースである。

まず、既存の決済システム「ターゲット」と連動したシステムを開発する。ターゲットは、「欧州全域における現金、証券、担保の自由な流れ」を保証するものだという。

次にECBは、DLTに基づく取引を法定通貨で決済するための長期的でより統合的な方法を模索する予定で、これには外国為替決済も含まれる。

この取り組みを監督するピエロ・チポッローネ理事は2月20日付の声明で、「これは、イノベーションを通じて欧州金融市場の効率性を高めるための重要な貢献である」と述べた。

ECBは2023年からデジタル通貨技術を検討してきた。今回の構想は、金融市場関係者に「分散型台帳技術プラットフォームに記録されたホールセール金融取引を中央銀行通貨で決済する」ことを検討するよう呼びかけた予備的作業を基礎とする。

ECBの計画に関するスケジュールは、後日公表される予定である。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Christian Lue/Unsplash
|原文:European Central Bank to Work on Settlement System for Distributed-Ledger Transactions