ビットコインのハッシュレート、伸びが鈍化──小規模マイナーに厳しい市場環境で

- 2025年1月のビットコインマイニング収益は14億ドルで安定推移。
- 同月に上場マイニング企業がネットワークのハッシュレートの約30%を占めた。
- 上位5社のマイニング企業間の競争が激化。
TheMinerMagの最新レポートによると、数カ月にわたる急速な拡大の後、1月にビットコインネットワークのハッシュレートの伸びが鈍化した。
マイニング難易度は9月以降で初めて低下した。上場企業はハッシュパワーを増加させ続けているものの、その成長は他の、おそらくより小規模な事業者の撤退を補うには不十分であることを示している。
ビットコインマイニングで生じた総収益は、1カ月で14億ドル(約2100億円、1ドル150円換算)と安定していた。合算して9万9000BTC(約97億ドル相当)を保有する上場マイニング企業は、1月のハッシュレート市場シェアの約30%を占めた。
最大手の上場企業間の競争も激化している。
マイニング企業トップのマラソン・デジタル(Marathon Digital)は、実現ハッシュレート41.65EH/sで首位を維持し、クリーンスパーク(CleanSpark)が34.77EH/sで続いた。積極的に拡大を進めているライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は31.27EH/sでそれに迫っている。
レポートは、「とりわけ、30EH/sグループ内の競争が過去にないほど激化している。一方で、30EH/sグループと、コア・サイエンティフィック(Core Scientific)やサイファー・マイニング(Cipher Mining)、ビットファームズ(Bitfarms)などの10EH/sグループとの差は広がり続けている」と指摘した。
トップマイナーの市場シェアが拡大しているのは驚くべきことではない。ビットコイン(BTC)価格が10万ドル(約1500万円)近くにあるにもかかわらず、最近の半減期によってビットコインマイニング報酬が半減し、業界の利益率を圧迫しているためだ。このような環境下では、規模の小さいプレイヤーが市場を支配する立場にあった大規模事業者と競争することは困難だ。実際、多くのマイナーがすでに、人工知能(AI)やハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)企業向けのマシンホスティングなど、他の収益源を探している。
1月にはアメリカへのマイニングハードウェアの輸入も減速しているとレポートは指摘した。これはハッシュレートの伸びの安定化に寄与する要因だ。しかし、ブロックチェーン・パワー・コープ(Blockchain Power Corp)やアクロハッシュ(AcroHash)などの企業は、ビットメイン(Bitmain)から大量の冷却インフラを輸入している。
今後については、TheMinerMagは2月の調整でマイニング難易度が再び低下すると予測した。収益性の低下により一部の小規模マイニング事業者が市場から撤退するためだ。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk Archives
|原文:Bitcoin Hashrate Growth Slows Amid Tough Market Conditions for Smaller Miners