米国株の急落、暗号資産の不調に拍車

- 上昇していた暗号資産(仮想通貨)と暗号資産関連株はまず、15億ドル(約2200億円、1ドル=149円換算)のバイビット(Bybit)へのハッキングでまず打撃を受けた。
- その後、米国株が急速に後退したため、暗号資産はさらに圧力を受けた。
- 株価に打撃を与えた要素としては、消費者心理の悪化と中国で発見された新しいコロナウイルスに関する報道などがあった。
暗号資産市場はわずか数時間前には、米証券取引委員会(SEC)がコインベース(Coinbase)に対する訴訟を取り下げる意向を示したことで、活況を呈していた。
この歓迎すべきニュースは、コインベース株やますます重要性を増している取引プラットフォームであるロビンフッド株などを5%値上がりさせた。ビットコイン(BTC)も最近の狭い取引レンジから抜け出し、10万ドルレベルが目前になった。
しかし米国時間午前、良い雰囲気を台無しにする最初のニュースが舞い込んできた。暗号資産取引所のバイビットが、暗号資産関連のハッキングとしては過去最悪となる約15億ドルのハッキング被害に遭ったのだ。このニュースにより、ビットコインとイーサリアム(ETH)は数分のうちにおよそ2%下落した。
価格はすぐに安定したようで、少なくともビットコインの場合は少し反発した。
株よ、お前もか
しかし、午後の取引で米国株の小幅な下落が加速し始めたため、反発の芽はすぐに消えてしまった。
急速な株価下落の要因のひとつとなったのは、ミシガン州消費者景況感指数が予想の67.8を下回る64.7に低下したこと。同調査の予想インフレ率は予想の3.3%に対し3.5%まで上昇した。
さらにおそらく売り材料になったのは、中国発の新たなコロナウイルス騒動だ。武漢研究所の研究者によって発見されたHKU5-CoV-2は、2020年のパンデミックを引き起こしたウイルスと「驚くほど似ている」と英紙デイリー・メールは伝えている。
2月21日の取引終了直前、ナスダックは2.2%、S&P500は1.7%下落している。米10年債利回りは9ベーシスポイント低下し、4.42%となった。
暗号資産に関しては、ビットコインはここ数日の上昇を帳消しにし、9万5000ドルまで後退。過去24時間で4%近く下落した。イーサリアムも約4%安の2650ドルまで値下がりした。広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、4.4%下落している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Plunging U.S. Stocks Help Add to Crypto’s Bad Day