ビットコインが8.8万ドルを割る中で「押し目買い」の可能性:クラーケン
  • クラーケン(Kraken)によると、リスク回避のセンチメントがビットコイン(BTC)価格を下げる中、トレーダーたちは「押し目買い」をしている。
  • クラーケンにおけるロング・ショート比率は過去最高の0.8に改善した。

暗号資産(仮想通貨)取引所の大手10社の一角を成すクラーケンでは、同デリバティブ部門の責任者アレクシア・セオドロウ(Alexia Theodorou)氏がCoinDeskに述べたところによると、3ヶ月ぶりの低水準へとビットコイン価格が下落する中、トレーダーたちがビットコインの買いに走っている。

ナスダック先物の値動きがウォール街でのリスク回避の継続を示唆し、混乱時の逃避先である円が米ドルや、オーストラリアドルのような成長感応型のコモディティ通貨に対して堅調に推移する中、ビットコインは本記事執筆直前に88000ドル(約1311万円、1ドル=149円換算)を下回った。

ビットコインの下落は、現地時間2月24日にバイナンス(Binance)で1億ドル(約149億円)のオープン先物ポジションが増加したことに続いており、これはトレーダーが価格のさらなる下落を予想してショートポジションを取ったことが原因と考えられている。

しかし、バーゲンハンター(安値で購入する投資家)がクラーケンを介して、ロング・ショート比率を過去最高の0.8に押し上げた。この比率は、任意の時点における積極的な売りポジションに対する買いポジションの割合を示すものだ。

「ビットコイン価格が90000ドルを下回ったにもかかわらず、クラーケンではビットコインの無期限市場でロングポジションを取るトレーダーが急増している」とセオドロウ氏は取材に答えた。「ロング・ショート比率は過去最高の約0.8に上昇し、オープンインタレスト(未決済建玉)は4週間ぶりの高水準に達している。これにより、トレーダーたちは反発を予想して実質的に「押し目買い」をしている可能性がある。」

クラーケンにおける押し目買い需要の証拠は強気市場を後押しする兆しだが、ロング・ショート比率は1未満であり、依然としてショートポジションの方がロングポジションよりも大きいことを意味している。

「これ(記録的なロング・ショート比率)は、市場の根底にあるポジティブな感情を示しているが、清算(ロスカット)は依然として比較的標準の水準にあるため、過剰なレバレッジの存在があるかもしれない。これにより、市場がさらなる下落に対して脆弱になる可能性があり、短期的にはロングスクイーズ(ロングポジションの清算)が起こる可能性がある」と同氏は述べる。

|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Traders ‘Buy the Dip’ as BTC Price Slips Below $88K, Kraken Says