バンク・オブ・アメリカCEO、独自ステーブルコインのローンチに意欲
  • バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン(Brian Moynihan)CEOは、米議会が合法化すれば、同行はステーブルコインを発行すると述べた。
  • トランプ政権は暗号資産(仮想通貨)への支持を表明しており、ウォール街の銀行間での競争が激化している。
  • ステーブルコインは昨年、33兆ドル(約4900兆円、1ドル=149円換算)以上の取引を処理し、ビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)を上回った。

これまで暗号資産業界では後塵を拝してきたバンク・オブ・アメリカ(BofA)だが、米国議会が合法化すれば、ドルを裏付けにした独自のステーブルコインを発行する用意があると、CEOが2月25日に語った。

「合法化されれば、我々はそのビジネスに参入する」と、BofAのモイニハンCEOは25日、The Economic Club of Washington D.C.でのインタビューで語った。

モイニハン氏は、米ドルを裏付けとしたステーブルコインはマネー・マーケット・ファンドや銀行口座と同じように機能すると主張し、そのようなステーブルコインをローンチするのは明らかだと考えていると述べた。

ただしそれは、議会が法案を可決するかどうかにかかっている。議員やトランプ政権のAI・暗号資産責任者デービッド・サックス(David Sacks)氏は、トランプ大統領就任から最初の100日以内に法案が動く可能性を示唆している。

「ステーブルコインが誕生するのは明らかで、ドルに完全に裏付けられたものになる(中略)バンク・オブ・アメリカのステーブルコインと米ドルの預金を持ち、それらを行き来させることができるようになるだろう。今までは合法的ではなかったが、外貨のようなものだからだ」と、モイニハン氏は語った。

JPモルガンやシティグループなどに比べ、BofAは暗号資産への関与に慎重だった。しかし、規制の変化により、手を出さざるを得なくなるかもしれない。

トランプ政権は、より明確な規制ガイドラインを提供することなどで、暗号資産分野での取り組みを支援することを明らかにしており、この分野でのウォール街の銀行間の競争が激化する可能性がある。

チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)もまた、以前は手をこまねいていたが、最近デジタル資産の責任者を採用し、この分野でのビジネスチャンスを探っている。

ステーブルコインエコノミーは、民主党と共和党の両方から支持を受けており、この種のデジタル資産に関する法律の制定は、暗号資産の他の分野よりも簡単になっている。事態を進展させるため、議員グループは今月、トランプ大統領就任後100日以内に議会がステーブルコインに関する法案を可決すると約束した。

民主党はステーブルコインが違法行為に利用されることに懸念を表明しているが、共和党が議会を完全に掌握しており、デジタル資産に友好的なアプローチを可決する可能性が高い。ただし最終的な法案には、超党派の支持が必要となるだろう。

ステーブルコインセクターはすでに、決済において大きな力を持っている。ビザのデータによると、ステーブルコインは過去1年間に33兆ドル以上の取引を処理し、ビザとマスターカードの合計を上回った。

|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bank of America CEO Says Bank Will Likely Launch Its Own Stablecoin