多くのビットコインマイナーは2028年の半減を生き残れない:MARAが株主向け書簡で述べる
  • 従来の電力網からの電力を利用しているマイニング事業者は、2028年の半減期イベント後に苦戦を強いられる可能性が高い。
  • ビットコインマイナーは、このような市場において差別化を図る必要がある。さもなければ、ますます競争が激しくなる市場で価格受容者の立場に追いやられてしまうだろう。
  • MARAの株価は、第4四半期で売上高予想を上回った後、急騰した。

MARAホールディングス(MARA Holdings)は株主宛ての書簡で、従来の送電網からの電気を利用しているビットコイン(BTC)マイニング事業者は、次の2028年の半減後に、苦境に立たされるだろうと述べた。

「従来の送電網に接続された電源に今も頼っているマイナーにとっては、状況は明らかだ。エネルギーコストは上昇する一方だろう。2028年の半減は、おそらく業界全体に新たな試練をもたらす。多くの業者が生き残れない可能性がある」と書簡には書かれている。

この声明は、直近のビットコイン半減イベントを受けてマイニング業界がすでに収益性の維持に苦戦している中で発表された。一部のマイナーは収益源を高性能コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)へと多様化せざるを得なくなっている。

大手ビットコインマイナーのひとつであるMARAは、このような競争の激しい市場では、マイナーは差別化を図らなければ、取り残されて収益性を維持するのが困難になるリスクがあると述べた。「差別化に失敗した企業は、競争が激化する市場において価格受容者に甘んじることになるだろう」。

すでに「リードしている」と主張しているこのマイナーのソリューションは、低コストのエネルギーを確保し、業務を垂直統合し、従来のビットコインマイニング事業を超えて拡大することだ。MARAは、AIやHPCなどの他のコンピューティングニーズにも対応する必要があることをほのめかしている。

「当社のサイトを取得する能力、低コストエネルギーの生成能力、減価償却済みのハードウェアおよびエネルギー資産の活用能力、そして垂直統合モデルの運営能力(ソフトウェアやハードウェアから、現在ではエネルギー生成まで)は、コストをより効果的に管理することを可能にするだろう」とMARAは述べている。これを達成するためにMARAは最近、テキサスの風力発電所を購入した。

MARAは、あらゆるコンピューティングニーズに対応するインフラのベースレイヤーとなるデータセンターインフラの開発と販売も強化していると述べた。

「ビットコインのマイニングであれ、AIの推論であれ、当社の技術が他社の構築意欲を活性化させると信じている。MARAは、エネルギー管理、負荷分散、インフラなどの新しいシステムやサービスを展開するためのツルハシを提供する」とMARAは述べた。

このマイニング企業は第4四半期の収益も報告しており、FactSetのデータによると、売上高は2億1440万ドル(約321億6000万円、1ドル=150円換算)で、アナリスト予想の平均である1億8780万ドル(約281億7000万円)を上回った。2月26日の取引終了後の時間外取引で、MARAの株価は8%以上上昇した一方、ビットコインは4.2%下落した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:MARAのフレッド・ティールCEO。(CoinDesk「First Mover」より)
|原文:Bitcoin Miners Drawing Power From Grids Will Face ‘Reckoning’ Post Next Halving, MARA Says