イーサリアムが7%、カルダノ、XRPなどが4%下落──暗号資産の苦難の週が続く

- 主要な暗号資産であるXRP、BNB、ADA、DOGEは4%下落した。
- 主要なトークンに連動する先物への強気な賭けは、6億ドル以上の清算を記録した。
- ニューヨーク連銀の研究では、トランプ大統領による中国からの輸入品に対する最新の関税が、予想以上にアメリカ経済に影響を与えることが示された。
イーサリアム(ETH)は2月27日もここ数日続いた下落を続け、24時間で7%下落した。長期にわたる暗号資産(仮想通貨)の売りは収まる兆しを見せていない。
ビットコイン(BTC)は26日のアメリカ取引時間には8万9000ドルから8万2500ドルの間で取引され、続くアジア時間の朝には8万6000ドルをわずかに超えるまでやや回復した。時価総額の大きいコインを追跡するCoinDesk 20 指数(CD20)は、3%以上下落した。
主要なトークンのエックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)は4%も急落し、主要トークンを追跡する先物への強気の賭けでは6億ドル(約900億円、1ドル=150円換算)以上の清算が記録された。
ライトコイン(LTC)とアプトス(APT)は、数少ない上昇したトークンで、それぞれ10%以上上昇した。APTは、ライトコインETFの噂に加えて、「ビットワイズ・アプトス ETF」が米デラウェア州で登録されたことにより上昇した。しかし、トレーダーはLTCの長期的な上昇見通しについては依然として慎重な姿勢を崩していない。
「機関投資家がビットコインのクローンに長期的な上昇の確信を持つことはまずないだろう。なぜなら、ETF承認の憶測以外には、利回りも実用性も有機的な需要も提供していないからだ」と、WOO Ecosystemのバイスプレジデント、ベン・ヨーク(Ben Yorke)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。
「投資家は話題性のあるトレンドや将来のETFの噂に目を向けるから、おそらく『ニュースで売る』イベントになるだろう」とヨーク氏は付け加えた。
テクノロジー大手のエヌビディア(Nvidia)の業績が投資家を魅了できなかったことで、暗号資産市場の損失はアメリカの株式市場の損失を反映する形となった。
また、ニューヨーク連銀の研究では、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が中国からの輸入品に課した最新の関税がアメリカ経済に予想以上の影響を与えていることが示された。両国から報告された数字に基づくと、アメリカの中国からの輸入量には明らかな食い違いが見られるという。
一方で、市場ウォッチャーはビットコインのラリーのきっかけとなるマクロ経済の兆候を待っている。
「アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、この局面ではプレーヤーではない。インフレがなかなか収まらないため、利下げは小幅にとどまる可能性が高い一方で、強硬的なアメリカの政権は地政学的な緊張を最優先事項として引き続き取り組むだろう」と、シグナルプラス(SignalPlus)のの共同創設者兼CEOであるクリス・ユー(Chris Yu)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。
「暗号資産に友好的な政策や枠組みが具体的に実現するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。一方、価格の下落に伴うBTCのボラティリティの低下は、投機筋が短期的な価格上昇に見切りをつけ始めたことを示すネガティブな兆候だ」と、ユー氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether, XRP Down 5% as Crypto’s Painful Week Continues; APT Jumps 10% Amid Aptos ETF Registration in Delaware