SBI VCトレード、ステーブルコイン「USDC」のサービスを3月12日に開始──電子決済手段等取引業者、第1号認可を取得

SBIグループで暗号資産(仮想通貨)事業を担うSBI VCトレードは3月4日付けで、国内で初めてステーブルコイン取り扱いにかかる「電子決済手段等取引業者」(登録番号 関東財務局長第00001号)の登録を完了したと発表した。認可を受けて同社は、米Circle(サークル)社が発行するステーブルコイン「USDC」の取り扱いを3月12日に開始する。ただし、この時点ではベータローンチとなり、流通はグループ内に限られるとしている。
SBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏は「まずは業務フローの確認を行う。早々に本格的なローンチを行いたい」とCoinDesk JAPANの取材に答えた。さらにベータローンチの時点で「ユーザーの取引画面には、『USDC』の文字が表示される」と述べた。
同社は個人および法人の顧客に対して、USDCの売買や入出金のサービスを行うことが可能になる。顧客から預かるUSDCと同額以上の米ドルを保全する必要があり、SBIグループの新生信託銀行が信託保全の役割を担うと近藤社長は以前、CoinDesk JAPANに説明している。
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今回の認可でSVI VCトレードは、すでに取得している暗号資産交換業、第一種金融商品取引業、そして電子決済手段等取引業の3つの認可を得たことになる。
「現状、3つの認可を持っているのは当社だけ。3つを組み合わせたサービスを提供していきたい」と近藤社長は述べた。現物と組み合わせた取引ペア(BTC/USDC、ETH/USDCなど)やUSDCを使ったレバレッジ取引などが想定されているようだ。
待望のステーブルコインがいよいよ日本に登場する。海外ステーブルコインには1回の購入や取引あたり100万円の制限があるが、多くの個人投資家には十分な金額と見られる。今後、さらにどのようなユースケースが生まれていくのか期待される。
|文:増田隆幸
|画像:SBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏(撮影:多田圭祐)