ビットコイン、9万ドル割り込む──トランプ大統領の準備金構想めぐる値上がりから一夜明けて

- ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、カルダノ、XRPは、トランプ大統領による暗号資産(仮想通貨)準備金に関する投稿をきっかけとした3月2日の上昇分のかなりの部分を失った。
- 暗号資産関連株も高値から後退している。
- トランプ氏の暗号資産にまつわる政策姿勢を支持する人々の見識に疑問を投げかけるアナリストもいる。
トランプ米大統領は3月2日、暗号資産準備金に関する投稿を行ってショートスクイーズを引き起こしたが、米国時間3日の早い時間にはすでに、値上がり分は縮小している。
ビットコイン(BTC)は過去1時間で約5%下落し、現在8万9500ドルで取引されている。2日のトランプ氏の投稿前のおよそ8万5000ドル付近よりは高いが、9万5000ドルという高値からは下落している形だ。
トランプ氏が準備金に含まれると言及したその他の暗号資産、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)もいずれも2日より値上がりしているが、上昇分のかなりの部分を失っている。
「新しいことは何もない」と、暗号資産取引所ビットワイズ(Bitwise)の共同創業者兼元CEOのアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は、トランプ氏の暗号資産準備金にまつわる投稿について指摘し、次のように続けた。
「言葉だけだ。借金をしたり、金の評価額を見直す議会の承認を得たら教えてくれ。それがなければ、ビットコインや草コイン(時価総額の低い暗号資産)を買う金はない」。
また、レッカー・キャピタル(Lekker Capital)のCIOであるクイン・トンプソン(Quinn Thompson)氏も、準備金構想を好意的に見てはいない。ここ数週間の暗号資産の弱気な動きを見事なまでに予想してみせた同氏は、次のように述べている。
「もし暗号資産に関わっていて、これ(暗号資産準備金)を支持している人には、何と言ったらいいかわからない。この業界の歴史上、最大の不正行為と詐欺の2つに正当性を与えることは、良いことではない。政権が無知である、間違った情報を持っている、買収されたといったことのせいにすることはできるが、実際にはそうではない」。
「トランプ政権は、暗号資産トレーダーに今年10回目のニュースで売るチャンスを与えようとしている」と、トンプソン氏は付け加えた。
コインベース(Coinbase)、ストラテジー(Strategy)、セムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)、ハット8( Hut 8)などの暗号資産関連銘柄も、大きな上昇分を失いつつある。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:The Morning After: Bitcoin Slips Back Below $90K Following Crypto’s Wild Sunday