Web3でアナログの価値を顕在化させる:平デジタル大臣が講演【FIN/SUM 2025】

平将明デジタル大臣が3月5日、「日本の課題解決 ~DX、AI、ブロックチェーン~」と題して「FIN/SUM 2025」で講演。新型コロナウイルス感染拡大を契機に進展した政府のDXを振り返りつつ、デジタル庁の創設、マイナンバーカードの普及、行政への生成AI活用、闇バイト問題など、デジタルに関するさまざまな課題とその解決策について語った。
例えば、デジタル庁は民間企業からの出向者も多く、春は多くの人が入れ替わる。そこで「上司と部下のやり取りを生成AIに読み込ませてFAQを作る」ような取り組みを進めていると述べた。
講演は生成AIに関する話題が多く、Web3/ブロックチェーンは最後に「地方創生2.0」の文脈で語られた。平大臣は「10年前、地方創生に石破大臣、平副大臣、小泉進次郎政務官で取り組んだときにはできなかったことが、Web3によってできるようになった」と発言。
さらに「日本の地域には、さまざまなアナログの価値が存在するが、提供価格が低すぎる」「我々の世代は良いものは安くと教えられてきたので、値付けが弱い」とし、例えば、錦鯉、盆栽、観光体験、食、1000年続くお祭りといった日本の、特に地方に存在するアナログの価値をNFTなど、デジタルを活用してグローバル価格に引き直すことが重要と語った。
また地方創生/地域活性化には外の視点が必要と述べ、10年前は難しかったが、デジタル村民のような仕組みを利用すれば、地域の外から多くの人を呼び込むことができるようになったと続けた。その他、合同会社型DAO(分散型自律組織)、マイナンバーカードを使った「マイナウォレット」などを紹介した。
講演の最後は、日本の課題解決、つまり勝ち筋のひとつには「もともと我々が持っていたアナログの価値を顕在化する。それによって地方創生を実現することにあるのではないか」と結んだ。
|文・撮影:増田隆幸