トレーダーは欧州中銀の利下げを予想──リスク資産への強気シグナルとなるか

- 欧州中央銀行は、ヨーロッパの債務が大幅に増えたにもかかわらず、金利を2.65%に引き下げる見通しだ。
- この予想される緩和は、現在進行中の世界的な流動性緩和に貢献し、暗号資産を含むリスク資産に強気のシグナルを送る可能性がある。
欧州中央銀行(ECB)は3月6日に金利を2.65%に引き下げる見通しであり、債券市場のボラティリティが上昇する中、ピークの4.5%からの緩和を継続する。
市場が2025年のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げを少なくとも3回と再評価し、ドイツと中国がそれぞれの経済を支えるために財政緩和路線を取っているため、ECBも緩和することが予想される。
言い換えれば、ECBの緩和は、進行中の世界的な流動性緩和にさらに拍車をかけるものであり、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産に強気のシグナルを送ることになる。
「全体的に見ると、流動性状況は良好であり、上昇しているため、成長懸念による最近の調整にもかかわらず、暗号資産を含むリスク資産は上昇を続けるだろう」と、ニュースレターサービス「LondonCryptoclub」の創設者は木曜版で述べた。
ボラティリティの高い債券市場
欧州連合(EU)のインフレ率は依然として中央銀行の目標値である2%に達しておらず、間近に迫った利下げと欧州の債券市場への影響が懸念されている。
ドイツの10年物国債は2.8%まで上昇し、2011年以来の高値を記録した。これは、ドイツの財政刺激策発表を受けて供給量が増加すると見込まれているためだ。この急騰により、アメリカとドイツの利回りスプレッドはユーロ高に推移して、ドル指数(DXY)が下落した。関税の脅威と相まって、DXYはトランプ大統領の1期目よりも速いペースで下落している。
イギリスの債券利回りもアメリカの利回りを上回っている。一方、日本の10年国債は1.5%を超え、17年ぶりの高水準となった。日本銀行は、ほぼ10年間のマイナス金利の後、3回の利上げを行っているが、インフレ抑制に苦戦している。
不安定な債券市場は金融引き締めを引き起こし、投資家がリスク資産へのエクスポージャーを縮小せざるを得なくなる可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ECBのラガルド総裁(ECB/Flickr)
|原文:ECB Expected to Cut Interest Rates as Traders Pile Into Fed Easing Bets