XRP上昇もショートにバイアス、DOGEはデスクロスに向かう

- XRPの資金調達率と累積ボリュームデルタは、価格が反発しているにもかかわらず、ショートへの根強いバイアスを示している。他のいくつかのトークンでも同様の動きが見られる。
- DOGEは不吉なデスクロスに向かっているが、BTCとETHのトレンド予測における実績はまちまちだ。
- トレーダーは引き続き、アルトコインからビットコインへと資金を動かしている。
暗号資産(仮想通貨)市場は安定しているように見えるが、トレーダーたちは、市場をリードするビットコイン(BTC)に資金を継続的に投入する一方で、エックス・アール・ピー(XRP)のようなアルトコインを扱う際には慎重を期している。
リップル(Ripple)社が国際送金を容易にするために利用する決済に特化したXRPは、ブロックチェーン企業であるリップル社とアメリカ証券取引委員会(SEC)の法廷闘争が間もなく終結するのではないかという期待感から、この24時間で3%以上上昇し、2.24ドルとなった。
価格上昇の一方で、主要な取引所に上場されている永久先物の累積未決済建玉は13億5000万XRP付近で安定しており、年率換算の資金調達率(ファンディングレート)と累積ボリュームデルタ(CVD)はマイナスで推移していることをベロ(Velo)のデータは示している。

マイナスの資金調達率は、弱気なポジションを維持するためにショートが相手方に手数料を支払っていることを意味する。これは、市場における弱気のショートポジションの優勢を示す。市場への純資本流入を測定するマイナスの累積ボリュームデルタ(CVD)は、売り数量が買い数量よりも多く蓄積されていることを示しており、弱気トレンドの可能性を示唆する。

したがって、両方の指標は、XRPの価格上昇が持続することについて疑問を投げかけている。記事執筆時点で、ドージコイン(DOGE)、ソラナ(SOL)、スイ(SUI)、ヘデラ(HBAR)、ライトコイン(LTC)、ビットコイン(BTC)、トロン(TRX)、ハイパーリキッド(HYPE)などの他の大型トークンも、24時間ベースでCVDがマイナスとなっている。
DOGEについて言えば、このトークンの価格の50日単純移動平均(SMA)が200日SMAを下回ろうとしており、いわゆるデッドクロスが確認されている。不吉な響きのパターンは、短期的な価格動向が長期的な動向を下回っており、大きな弱気トレンドへと発展する可能性があることを示している。

これらの単純移動平均線のクロスはトレンドトレーダーに広く追われているため、デッドクロスの確認は市場にさらなる売り圧力をもたらす可能性がある。とはいえ、長期単純移動平均線のクロスは遅行指標であり、すでに実現した売りを反映しているため、BTCおよびETHの市場における価格変動の予測においては、実績はまちまちだ。
なお、DOGEは12月に48セント超でピークに達して以来、すでに65%下落している。
ビットコインがここ4年で最も優勢に
ビットコインのドミナンス(支配率)、つまり暗号資産の総時価総額に占める割合は、TradingViewのデータによると、2021年3月以来最高の62.5%に達した。
注目すべきは、暗号資産の時価総額が12月に3兆6000億ドル(約540兆円、1ドル=150円換算)を上回ってピークに達して以来、この指標は55%から62%超に増加していることだ。
これは、特に市場全体が低迷している時期のBTCへの継続的な選好を示している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:XRP Short Bias Lingers Amid Ripple Legal Hopes, DOGE Nears Death Cross as BTC Dominance Hits 4-Year High