4大会計法人のKPMGが発表した2019年に注目のフィンテック企業「フィンテック100」で、1位にはアリババグループのアントフィナンシャルが選ばれ、日本からは仮想通貨取引所のリキッド(38位)、スマホ投資のフォリオ(49位)がランクインした。
フィンテック分野のVCであるH2 Venturesとともに分析。資本調達額や資金調達率、地理的多様性、部門別多様性、サービスやビジネスモデルの革新度など5つを軸にして分析・選出し、50位までをトップ50、新興50企業に分けた。
上位10社にはGrabなどもランクイン
リストに入った企業は合計で700億ドル以上を調達し、うち過去1年で180億ドルを調達している。700億ドルの調達金額は昨年に比べて35%の増加といい、「ベンチャーキャピタルがフィンテック企業を後押しする顕著な増加」と述べた。
アントフィナンシャルに次いで、2位には最近、JapanTaxiとの連携による日本進出が明らかになったシンガポール配車大手グラブ、3位に中国イーコマース大手・JDドットコムの子会社JDディジッツが入った。そのほか10位以内にアジア勢が7社選ばれている。
1位 AntFinancial(中国)
2位 Grab(シンガポール)
3位 JD Digits(中国)
4位 GoJek(インドネシア)
5位 Paytm(インド)
6位 Du Xiaoman Financial(中国)
7位 Compass(アメリカ)
8位 Ola(インド)
9位 Opendoor(アメリカ)
10位 OakNorth(イギリス)
ロビンフッドやコインベースも
暗号資産を取り扱う企業としては、株や暗号資産の取引アプリを提供するロビンフッド(14位)、米大手仮想通貨取引所コインベース(34位) が入った。
38位にランクしたリキッドは仮想通貨取引所コイン(QUOINE)を運営しており、2019年には評価額1000億円を超える“ユニコーン”企業となった。49位のフォリオはスマホで投資できるサービスを提供。投資先を“企業”ではなく“テーマ”で選ぶ「テーマ投資」や、ロボットアドバイザーによる「おまかせ投資」などがあり、LINEスマート投資も提供する。
新興50企業のなかには、世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが入った。日本からはAI(人工知能)開発のアルパカジャパン、おつり投資のトラノテックの2社が入っている。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock