NRI、野村證券、三井住友銀行ら5社、デジタル証券の拡大に向け協業──国内初のデジタル債DVP決済とデジタル通貨による証券決済を実証

野村総合研究所(NRI)、野村證券、BOOSTRY、ディーカレットDCP、三井住友銀行の5社は3月14日、デジタル証券市場拡大に向けた新たな決済スキームの実現と概念実証の取り組みを発表した。

この取り組みでは、デジタル債として国内初となるDVP(Delivery Versus Payment)決済を実現した。DVP決済とは証券の受け渡しとお金の支払いを同時に行うことで、一方だけが実行されるリスクを防ぐ仕組みだ。BOOSTRYのブロックチェーン「ibet for Fin」と三井住友銀行のサービスを組み合わせ、通常の銀行口座を使ったDVP決済を可能にした。

また、通常は約定日から4営業日後に設定される決済日を「約定日+1営業日」に短縮し、国内事業債の発行時決済として過去最短を実現した点も特徴といえる。

さらに別の取り組みとして、デジタル通貨「DCJPY」のテスト環境を利用した証券決済の概念実証も実施。将来的にデジタル通貨を活用すれば、証券取引の自動化や即時決済などが可能になることを確認した。

本プロジェクトは、デジタル証券市場における決済リスクの低減と、将来的なデジタル通貨による証券決済プロセスの効率化を見据えたものだ。5社は今後、標準的な業務プロセスやシステム間連携の方法について検討を進める予定としている。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから