ビットコインが低調、ADA、SOL、XRPも5%下落──「押し目買い」の心理が続く

- ビットコインは週明けに2%下落し、主要トークンが最大5%下落するなど、より広範な市場の下落に影響を与えた。
- アメリカの関税やマクロ経済への懸念から、先週の売りによって暗号資産市場は停滞しており、アメリカの景気後退への懸念が続いている。
- 現在の売りにもかかわらず、投資家の間では「押し目買い」の心理が残っており、一部ではアルトコインやミームコインのボラティリティ上昇と潜在的な利益増加を予測する声もある。
ビットコイン(BTC)は、CoinDesk Indicesのデータによると3月17日に24時間で2%下落し、マイナスで週が始まった。さらに、主要なトークンが最大5%下落したことで、より広範な市場に重苦しい空気が広がった。
BTCは日曜日に8万4000ドルの抵抗線に触れ、上昇の可能性を秘めた重要な水準となり、17日のアジア時間午後には8万3300ドル強で取引されていた。

エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)などの主要コインは5%も急落した一方で、バイナンスコイン(BNB)は3%上昇し、主要コインの中で唯一上昇してた。
アメリカの関税とマクロ経済状況の悪化により、先週の売りから暗号資産(仮想通貨)市場は横ばいとなっている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税によりアメリカの景気後退に対する懸念が高まっているとトレーダーは指摘しており、米国株式とBTCの相関関係が維持される限り、今後も不安定な状況が続く可能性が高い。
しかし、一部では、横ばいの市場の中で、アルトコインやミームコインに変動が訪れると見る向きもある。
「トランプ氏のワールド・リバティ・ファイナンシャルがアバランチ(AVAX)とマントル(MNT)を購入したことで、アルトコインの取引量は増加した。AVAXはヴァンエク(VanEck)によるETF(上場投資信託)申請の一部でもあった」とLVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクターであるニック・ラック(Nick Ruck)氏はテレグラムのメッセージで述べた。「これは、トレーダーや投資家が、ビットコインやイーサリアム(ETH)のようなメジャーなコインよりも短期間でより高い利益を得るために、アルトコインに注目している兆候である可能性がある。
トレーダーらは、現在の売りはETFとスポットリンクトレーダーの巻き戻しが原因である可能性があると指摘している。主要な大型銘柄以外の評価は、過去の平均と比較して比較的抑制されており、経済のハードデータはソフトデータの急速な悪化を上回る可能性が高いことから、市場コンセンサスは、関税の変動を乗り切る間は「押し目買い」の市場が続くという見方をしている。
「現在の売りは、マクロ分野を支配してきた巨大な『マルチストラテジー』ヘッジファンド戦略が完全に原因であると見られている」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はテレグラムメッセージでCoinDeskに語った。
マルチストラテジー取引では、ヘッジファンドが、裁定取引、ロングショートポジション、レバレッジなど、さまざまな戦術を用いて、資産クラス全体でリターンを最大化する。
ビットコインの場合、人気の高いマルチストラテジーアプローチは、現物のBTC(多くの場合、ETF経由)を購入し、BTC先物をショートポジションにして価格差から利益を得るベーシストレードが基本となっている。スプレッドが有利な場合には、これで低リスクの利益が確保できる。
スプレッドの縮小や市場の変化によりベーシストレードからの利益が減少すると、ファンドはポジションを解消し、ビットコインとETFを一斉に売却する。この流動性圧力は、特にここ1週間の関税関連の変動の中で、売りを加速させた可能性が高い。
しかし、強気派の間では「押し目買い」の心理が根強い。
「大型銘柄以外の評価は、過去の平均と比較すると比較的抑制されており、経済のハードデータはソフトデータの急速な悪化を上回る可能性が高いことから、関税の変動を乗り切る間は、これは『押し目買い』の市場であり続けるというのが市場のコンセンサスだ」とファン氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Slumps, ADA, SOL, XRP Drop 5% as “Buy the Dip” Sentiment Persists