商標権の小口化NFTで5500円から酒蔵投資が可能に──「Sake World」提供

日本酒のNFTマーケットプレイス「Sake World NFT」などの日本酒事業を展開するリーフ・パブリケーションズは、「Sake World酒蔵投資」サービスを開始したと3月17日、発表した。

このサービスは商標権「Sake World」の共有持分をNFTとして小口化し、1口5500円(税込)で販売するものだ。

投資対象となるのは、同社が2024年11月にグループ化した「Sake World牧野蔵」。創業280年の岡山県苫田郡にある同酒蔵は、複数の日本酒をブレンドして料理や好みに合わせたオーダーメイド日本酒の製造に特化しており、現在55蔵からブレンドの承諾を得ている。

NFT購入者(ブランドオーナー)には、出荷量1mlあたり0.3円のロイヤリティが50年以上にわたって配当される。また、希少な日本酒の優先購入権、ロゴの一部事業活用権、減価償却による節税メリットなどの特典も付与される。

日本酒の海外輸出量は継続的に増加しており、2024年12月には「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録された。一方で国内の酒蔵数は減少傾向にあり、清酒製造免許の新規発行制限や資金調達手段の限界が課題となっているという。

同サービスは2026年8月31日まで販売を実施し、初回配当は2027年1月に予定されている。少なくとも2077年1月(第50回)まで毎年配当が実施される計画だ。

知的財産権の小口化の動きは他分野でも進んでおり、国内の人気NFTプロジェクト「NEO TOKYO PUNKS」は2月、「UTOPIA」という著作権付きNFTコレクションのリリースを発表。保有者はアニメのストーリー展開に投票でき、配信収益の一部を受け取る権利が付与される。

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RWA(リアルワールドアセット、現実資産)の考え方を応用したこれらの取り組みは、従来の投資モデルに新たな選択肢を提供している。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから