オアシス上でトークン発行が可能──yukichi.fun、ローンチから2週間でコイン200種が誕生

日本発のゲーム特化型ブロックチェーン「オアシス(Oasys)」上で、簡単にトークン発行ができるプラットフォーム「yukichi.fun(ユキチドットファン)」が3月6日にローンチした。12日には、発行されたコインが100種類を突破したと公式Xが投稿。ローンチから約2週間経った19日の記事執筆時点では204種類のコインが発行されており、ユーザーの関心の高さが伺える。コインの最大発行数を100万個以下に制限するなど、国内規制に配慮した仕組みで合法にトークン発行できることが最大の特徴だ。

〈生成されたコインの一部:yukichi.funのホームページからキャプチャ〉

ユキチドットファンでは、オアシス対応ウォレットを接続し、トークン名やティッカーシンボル、イメージ画像を設定。さらに初期作成手数料を支払うことでトークンを発行できる。

発行時にペアとなる基軸トークンは、Wrapped Oasys(WOAS)、MusmeCoin(MSM)、My Crypto Heroes(MCHC)から選択可能。初期作成手数料は1000WOAS・1000MCHC・2000MSMのいずれかで、支払いが完了すると総供給量100万個のトークンが生成される仕組みだ。

ユキチドットファンでは、国内規制への適合を意識した「コインクリエイターガイドライン」を定めており、支払い手段としての利用や投資商品としての販売を禁止している。また、Oasysの日本語公式Xでは、以下のようにコイン発行ルールについて解説している。

このように、「投資収益、配当、収益分配、またはガバナンス権を提供してはなりません」「総供給量は100万トークンで、最小単位は1トークン」などと定めることで、暗号資産や有価証券としてみなされることを回避している。

2023年3月に金融庁が発表した「『事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)』の一部改正(案)の公表に対するパブリックコメントの結果等について」では、暗号資産に該当しない条件が明確に示された。

具体的には、発行者が不特定多数への代価弁済目的での使用を意図していないことと、価格や数量、仕様などを総合的に考慮し、代価弁済に使える要素が限定的であることが条件として挙げられている。加えて、パブリックコメントでの回答によると、「分割可能性を踏まえた発行数量」が100万個以下であれば、決済手段として広く使われる可能性は低いとの見解を示しており、暗号資産に該当しないトークンとして扱われることになる。

Xでは、「Yukichi.funでは、コインの総供給量に制限を設けることに加え、いくつかのルールに基づき運用することで暗号資産ではなく、アップデートされたNFTのような体験を提供します」とコメントしている。

|文:橋本祐樹
|トップ画像:オアシスの日本語公式Xから