ビットコイン、7〜8万ドルに供給ギャップ──8万ドルを割ると急落の可能性

- ビットコイン価格が昨年11月に急騰したことで、7万〜8万ドルの価格帯で供給ギャップが生じている。
- 8万ドルを割ると、7万ドル付近に大きなサポートが集中しているため、急落する可能性がある。
- ビットコイン供給量の約20%が損失となっている。
ビットコイン(BTC)の継続的な価格調整は、8万ドルを割って加速する可能性がある。Glassnodeの分析を見ると、7万ドル付近の価格帯は、昨年末の取引が低調だったことを示している。
ビットコイン価格は、暗号資産に積極的な姿勢を見せたトランプ氏が大統領選に勝利した後、11月初旬に7万ドルから8万ドル超まで急騰した。その結果、この2つの水準の間ではほとんど取引は行われず、いわゆる「供給ギャップ」が生じた。これは、GlassnodeのUTXO Realized Price Distribution:UPRD)チャートからも明らかだ。
UPRDは、ビットコインのUTXO(未使用のトランザクションアウトレット=トランザクション後に残ったビットコイン)の最後の価格を示したもの。つまり、各棒グラフは、最後に特定の価格帯で取引されたビットコインの量を表している。
トランプ氏の大統領選勝利を受けて、ビットコインは6万ドル半ばから10万ドル超へと急騰したため、7万〜8万ドルのレンジでは、わずか数日間しか取引されず、供給量はほとんど蓄積されていない。
つまり、7万〜8万ドルでビットコインを取得したトレーダーは、他の水準よりもはるかに少ない可能性が高い。そのため、8万ドルを下回る動きがあっても、同様の取得コストでさらに購入しようとするトレーダーによるバーゲンハンティングはほとんど見られないだろう。2024年3月に記録した当時の史上最高値7万3000ドルの手前にはほとんどサポートがないことが確実だ。
また、ビットコインは現在8万ドル超で安定しているが、総供給量の約20%が損失となっている。つまり、これらは現在の価格8万3000ドルを上回る価格で購入されたということだ。8万ドルを割ると売り圧力を高め、急落につながる可能性がある。
Glassnodeのデータによると、価格調整で約10万BTCが短期保有者によって売却されたことが示されている。供給不足と現在の低調な需要は、すでに史上最高値10万8000ドルからの約30%の下落を招いている。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ビットコインのURPD:Glassnode
|原文:Bitcoin Faces Massive ‘Supply Gap’ Between $70K and $80K