ビットコインのボラティリティが急上昇する可能性:Derive

- 分散型分散型オプションプラットフォームのDeriveによると、暗号資産市場の現在の落ち着きは長続きせず、大幅な価格変動が起こる可能性がある。
- 変動の引き金となる要因としては、ウクライナ情勢、トランプ政権下での暗号資産規制政策の転換、連邦準備制度理事会の金利決定などが挙げられている。
- ブラックロックによると、市場では今年2~3回の利下げが予想されているものの、アメリカの景気後退懸念と根強いインフレを反映して、連邦準備制度理事会の利下げ幅は限定的になる可能性があるという。
ビットコイン(BTC)市場に再び訪れた落ち着きは長続きせず、大幅な価格変動を引き起こす嵐の舞台が整う可能性があると、分散型オプションプラットフォームのDeriveが指摘している。
3月12日以降、BTCは8万ドルから8万5000ドルのレンジで推移しており、これは通常、大幅な方向転換の後に見られる調整局面である。価格が10万ドルから8万ドル以下に急落したのは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税や、アメリカの戦略的ビットコイン備蓄における新規購入の欠如に対する失望感など、いくつかの要因によるものだ。
今回の調整により、主要なボラティリティ指標は低下し、月間最低値に近づいている。しかし、ボラティリティは平均回帰的であり、低ボラティリティ体制はすぐに価格の乱高下につながる可能性があるとDeriveは述べている。
「BTCの週間のATM(アット・ザ・マネー)ボラティリティは50%から49%に低下し、月間最低値である45%に近づいている。実現ボラティリティも、今月初めの91%から、今日では54%に低下している」とDeriveの創設者であるニック・フォースター(Nick Forster)氏は、CoinDeskに共有した最近のメモに書いている。
ボラティリティは価格の方向性とは無関係であることを忘れてはならない。つまり、ボラティリティの増加が予想されるからといって、ビットコインの価格変動の方向性を示すものではない。
「ボラティリティは平均回帰的であるため、まもなく上昇し、おそらく2月に見られた水準(60~70%)に達するだろう」と、フォースター氏は付け加えた。
価格が上昇しようが下落しようが、ボラティリティは上昇する可能性があり、いずれかの方向に大幅な価格変動が起こる可能性を示唆している。
Deriveによると、ウクライナでの停戦(または停戦の撤回)や、トランプ政権下での暗号資産規制政策の大幅な変更など、いくつかの要因がボラティリティの引き金となる可能性がある。
Deriveは、総額1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)近くがロックされた世界有数のオンチェーンAI搭載オプションプロトコルだ。このプロトコルは、これまでに150億ドル(約2兆2500億円)の累積取引高を記録している。
また、3月19日のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利決定も市場を動かす可能性がある。
FRBは金利を据え置く可能性が高いが、トレーダーは今年中に2~3回の利下げを織り込んでいる。しかし、ハト派的なサプライズがあれば、強気派の勢いが再燃し、急激な上昇につながる可能性もある。
しかし、ブラックロック(BlackRock)によると、FRBの利下げは限定的である可能性がある。
「市場は今年中に25ベーシスポイントの利下げを2~3回織り込んでおり、年初には1回という予想もあった。これは、経済状況が下降傾向にあるわけではないにもかかわらず、アメリカの景気後退への懸念を反映していると当社は考える。たとえ長引く不確実性が成長を妨げるとしても、当社は依然として、FRBが利下げできる幅を制限する持続的なインフレを予測している」とブラックロックは週次のレポートで述べている。
株式市場が下落を続ければ、暗号資産価格の下落を加速させ、予想されるボラティリティの上昇は下方向に起こる可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Storm Could Be Brewing, Crypto OnChain Options Platform Derive Says