イーサリアムの年末の目標価格、1万ドルから4000ドルに引き下げ:スタンダードチャータード
  • 英銀大手スタンダードチャータードは、イーサリアムの2025年末の目標価格を1万ドルから4000ドルに引き下げた。
  • 米暗号資産取引大手コインベースが手がけるBaseのようなレイヤー2ブロックチェーンは、イーサリアムの時価総額を減少させている。
  • イーサリアムは現在の水準から回復すると予想されているが、低迷は続くだろうと同行はレポートに記した。

英銀大手スタンダードチャータード(Standard Chartered)は3月17日に発表したリサーチレポートで、イーサリアム(ETH)の構造的な下落は今後も続くと印、2025年末の目標価格を大幅に引き下げた。

スタンダードチャータードは、イーサの年末時点での価格を以前の1万ドルから4000ドルに引き下げた(日本時間3月18日21時時点では1890ドル付近)。

「イーサリアムは岐路にある」とレポートは記している。イーサリアムは「まだ複数の指標で優位を占めている」ものの、この優位性はこの間、低下している。

レイヤー2ブロックチェーンはイーサリアム・ブロックチェーンの拡張性の向上を目的としていたが、スタンダードチャータードは、米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)のレイヤー2「Base」はイーサリアムの時価総額を500億ドル減少させたと推定し、この傾向は続くと述べた。

市場がイーサリアムの構造的な下落を最終的に止める可能性があると、スタンダードチャータードのデジタル・アセット・リサーチの責任者、ジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は指摘した。同氏は「特にトークン化RWA(現実資産)が大幅に成長すれば」とし、「イーサリアムのセキュリティにおける優位性を考えると、トークン化RWA市場のシェアの80%を維持するだろう」と述べている。

だが「イーサリアム財団がレイヤー2から何らかのお金を取るような商業的な方向性に積極的に変われば、シェア維持は可能」だが、それは起こりそうもない。

スタンダードチャータードは、ETH/BTCレシオは2027年末までに0.015まで下落し、2017年以来の最低水準になると予測している。

同行は、ビットコインの上昇は、すべての暗号資産を押し上げると予想されており、イーサリアム価格は現在の1900ドル付近から回復するが、低迷は続くだろうと述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Ether in Structural Decline, Year-End Price Target Slashed to $4K: Standard Chartered