ゴールドが先行して、ビットコインが追随。歴史的なパターンは再現されるのか
  • ゴールド(金)は1オンス3025ドルを突破し、2025年に15%以上、前年比では40%上昇している。地政学的不安、ETFへの資金流入、アメリカの関税に関する懸念が背景にある。
  • ビットコインとゴールドが同時に急騰することはまれであり、2019年から2020年にかけてはゴールドが急騰する一方でビットコインは横ばい、2021年には金が停滞する一方でビットコインが急騰、そして2023年から2024年には珍しく両方が上昇した。そして2025年には、ゴールドが再び主導権を握っている。

ゴールド(金)は年初来15%以上上昇し、1オンスあたり3025ドルを突破し、史上最高値を更新した。一方、ビットコイン(BTC)は10%下落している。

金ETF(上場投資信託)への大幅な資金流入や、地政学的不安の高まりによる安全資産としての伝統的な役割など、いくつかの要因が金の高騰に寄与している。

さらに、トランプ大統領就任後のアメリカにおける新たな関税に関する議論も需要を高める要因となった。ゴールドは歴史的な上昇を見せており、その価格は前年比で40%上昇し、ビットコインの16%上昇を大きく上回った。

歴史的に見ると、ゴールドが強気相場に入ると、ビットコインは停滞または下落することが多い。この2つの資産は同時に動くことはごく稀にしかない。

2019年から2020年第3四半期にかけて、ゴールドは大幅に上昇したが、ビットコインはほぼ横ばいで推移した。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと時期が重なっていた。一方、2021年にはゴールドが停滞する一方で、ビットコインは上昇した。2022年には、世界的な金利上昇に伴い、両資産とも下落圧力に直面したが、2023年と2024年には反発した。そして2025年現在、市場では再びこの2つの資産の乖離が顕著になっている。

バイトツリー(ByteTree)の創設者であるチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は、このゴールド相場の急騰を「本格的なゴールドラッシュ」と表現している。これは2011年以来の現象だ。

「ゴールドが3000ドルを超え、シルバー(銀)が24ドルを超え、金鉱株が勢いを増している。暗号資産(仮想通貨)の愛好家たちは、本格的なゴールドラッシュを一度も目にしたことがないことに私は気づいた。最後にこのようなことが起こったのは2011年で、ビットコインが20ドルで登場したばかりの頃だった。彼らは今、それを経験している」と彼は述べている。

[ビットコインとゴールド(金)の過去5年間の価格チャート。:TradingView]

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Gold Leads the Way, Bitcoin Follows; History Suggests a Familiar Pattern