シーメンス、IoT機器にブロックチェーンを組み込み

- 世界有数の機械メーカー、独シーメンスはIoT機器にブロックチェーンを組み込むために、IoT向けブロックチェーン開発企業Minimaと提携した。
- Minimaは昨年、半導体大手ARMと提携し、ブロックチェーンを組み込んだマイクロチップの開発を発表している。
- シーメンスの担当者は、IoT機器がフルノードを実行できるようになり、ブロックチェーンネットワークに独自に参加できるようになると述べた。
ヨーロッパ最大の産業テクノロジー企業シーメンス(Siemens)は、IoT(モノのインターネット)向けブロックチェーン開発企業のMinimaと提携し、自動車、ロボット、エネルギー分野の機器にブロックチェーンを組み込もうとしている。
Minimaは、シーメンスのCre8Ventures部門と連携している。Cre8Venturesは、AI、デジタルツイン、サイバーセキュリティなどの分野のスタートアップと連携し、産業のトランスフォーメーションを加速させることに取り組んでいると、両社は3月18日に発表したリリースで述べた。
コンピューティング能力の向上は、ネットワークのエッジ(末端に位置する機器)にも及び、セキュリティとデータの整合性をエッジ側の機器に大規模に組み込む必要性が高まっている。その際に有効なのが、IoT向けのブロックチェーンだ。
ブロックチェーン技術は、分散型であり、あらゆる仲介者を排除するという点で、そもそもは大企業とは対極にあるものと考えられていたかもしれないが、これは興味深い変化だとMinimaのCEO、であるヒューゴ・ファイラー(Hugo Feiler)氏は述べた。
「だが、こうしたデバイス上でパワーがエッジ側に移行するにつれ、大企業でさえ、システムのレジリエンス(回復力)を確保する必要がある」とファイラー氏。
「つまり、大企業が分散型システムを運用できる能力は、彼らにとってもきわめて重要なものだ。分散化は単に大企業を仲介者として排除するだけではなく、むしろ大企業がより広範な世界にサービスを提供することを可能にする」
Minimaは昨年末、半導体大手ARMと提携し、ブロックチェーンを組み込んだマイクロチップの開発に取り組んでいると発表している。
「Minimaは、IoTデバイスがフルノードを実行できるようにすることで、外部サーバーや中央集権的な仲介者に頼ることなく、ブロックチェーンネットワークに独立して参加できるようにする。これにより、中央数件的な障害点をすべて排除し、完全に分散化されたセキュリティ、データの完全性、およびトラストレスな検証を確保することができる。2社のコラボレーションは、画期的なAI機能、データの完全性、分散型のトラストメカニズムをシーメンスのCre8Ventures Digital Twin Marketplaceにもたらす」とシーメンスの担当者は声明で述べた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock
|原文:Industrial Tech Giant Siemens Adopts IoT Blockchains From Minima