XRP、10%急伸──SECがリップル社に対する控訴取り下げとCEOが発表
  • リップル(Ripple)社のCEOが、米証券取引委員会(SEC)が同社に対する控訴を取り下げると発表したため、エックス・アール・ピー(XRP)は10%急騰した。
  • ブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOは、これをリップル社と暗号資産(仮想通貨)にとって「決定的な勝利」と歓迎した。
  • 2020年から続いているこの法廷闘争は、終わりに近づいていると報じられていた。

XRPは米国時間3月19日午前、同トークンと密接な関係にあるリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが、米証券取引委員会(SEC)が同社に対する控訴を取り下げると述べたことを受け、10%急騰した。

「私たちが待ち望んでいた瞬間だ。SECは控訴を取り下げるだろう」とガーリングハウス氏はXに投稿し、次のように続けた。「リップルにとっても、暗号資産にとっても、どう見ても決定的な勝利だ」。

先週の報道で、リップル社とSECの長年の法廷闘争が終わりに近づいていると伝えられていた。

SECはドナルド・トランプ大統領の第一期目の任期中の2020年、リップル社がXRPトークンの無登録証券販売で13億ドル(約1900億円、1ドル=149円換算)を調達したとして同社を提訴した。

アナリサ・トーレス(Analisa Torres)連邦判事は2023年、リップル社が機関投資家向け販売で連邦証券法に違反した一方で、リテール取引所へのトークンのプログラム販売は法律に違反しないと裁定し、多くの人がこの裁定をリップル社の部分的勝利とみなした。

判事は昨年8月、リップル社に対して1億2500万ドルの罰金を言い渡した。SECはこの判決を受けて「控訴通知」を提出した。

SECによるリップル社に対する訴訟は、ガーリングハウス氏が「暗号資産に対する戦争における最初の大きな攻撃」と表現したもので、XRPの保有者に150億ドルもの損失をもたらした。

SECによるこれまでの訴訟はすぐに終結していたため、リップル社に対する訴訟は、暗号資産業界に対する突出した措置となっていた。

ゲーリー・ゲンスラー前SEC委員長の退任後、SECはコインベース(Coinbase)に対する調査を含むいくつかの措置を取り下げた。トランプ大統領は次期委員長にポール・アトキンス(Paul Atkins)氏を指名しているが、上院はまだ承認公聴会を予定していない。

リップル社とその幹部は2024年の選挙中、議会に特化した特別政治活動委員会(スーパーPAC)の「フェアシェイク(Fairshake)」に7000万ドル以上、トランプ氏の就任資金に500万ドル以上など、多額の寄付を行っている。

この訴訟が終結したことで、XRPのETF(上場投資信託)がSECによって承認される可能性も高まった。グレイスケール(Grayscale)、ビットワイズ(Bitwise)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)を含む、発行を希望する複数の企業が、数カ月前にXRP ETFを申請しており、ブルームバーグのETF専門家は以前、今年末までの承認の確率を65~75%と予測していた。

XRPはまた、トランプ大統領が米国の戦略的暗号資産準備金の一部になる可能性を示唆したトークンのひとつである。

SECはガーリングハウス氏の投稿に対するコメントを拒否したが、他の暗号資産関連の案件では、このような事項はスタッフレベルで合意された後に、最終的に委員会の投票によって承認されてきた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:リップルのブラッド・ガーリングハウスCEO(CoinDesk)
|原文:XRP Zooms 10% as Garlinghouse Says SEC Is Dropping Case Against Ripple