ビットコイン、FRBの金利据え置きを受けて8万5000ドルを回復──株価も上昇したが注意を促すアナリストも

- 米連邦準備制度理事会(FRB)がFF金利のレンジを4.25%~4.50%に据え置いたことで、暗号資産(仮想通貨)市場ではFOMC(米連邦公開市場委員会)会合後にポジティブなトレンドが見られている。
- ビットコイン(BTC)は過去24時間で4.5%上昇している。米証券取引委員会(SEC)がリップル(Ripple)社に対する訴訟で控訴しないというニュースを受けて、エックス・アール・ピー(XRP)が主要トークンの中で最大の上昇率となった。
- FOMC会合に対する市場の好反応にもかかわらず、一部の市場コメンテーターは依然として懐疑的で、関税関連のインフレが一過性のものであるというFRBの考えに疑問を呈している。
3月19日のFOMCでFRBが金利を4.25%~4.50%に据え置いたことを受け、暗号資産市場は小幅ながら上昇に転じている。
ビットコインは過去24時間で4.5%上昇し、当記事執筆時点では3月9日以来の高値となる8万5500ドルで取引されている。
ステーブルコイン、ミームコイン、取引所コインを除く時価総額上位20の暗号資産で構成されるCoinDesk 20 Indexは6%上昇した。
イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)はともに7%急騰し、XRPはリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが、SECが同社に対する訴訟を取り下げる予定であると発表したことを受けて10%上昇した。
暗号資産関連株も比較的好調で、特にビットコインマイニング企業のビットディア( Bitdeer)とコア・サイエンティフィック( Core Scientific)は、それぞれ10%、8%上昇している。
ビットディアは最近、ASIC製造プロセスで技術的進歩を遂げたことや、ステーブルコイン大手のテザー(Tether)社が同社への出資比率を21%に引き上げるというニュースから好感されているようだ。
一方、コア・サイエンティフィックは、主要顧客であるAI企業のコアウィーブ(CoreWeave)が今月、新規株式公開を申請したことで、その恩恵を受けている可能性がある。
それでも両社の株式はそれぞれ1月以来では61%以上、11月以来では53%以上下落している。
パウエルFRB議長は、関税関連のインフレは一過性のものである可能性が高く、景気後退リスクは依然として低いと述べた。ナスダック、S&P500、ダウ・ジョーンズはいずれも1%以上上昇するなど、市場はFOMCにポジティブに反応したにもかかわらず、市場コメンテーターは懐疑的だ。
エコノミストのモハメド・A・エル-エリアン(Mohamed A. El-Erian)氏は、「パウエル議長が関税の価格への影響を『一過性』と表現し、FRBに 『一過性』という言葉が戻ってきた」とXに投稿し、次のように続けた。
「特にこの10年の初めの大きな政策ミスを経て、そして現在の不確実性を考えれば、FRB高官の中にはもっと謙虚な態度を示す者もいるだろうと私は思っていた。インフレの影響が一過性のものであることを確信するには、まだ早過ぎる」。
金は18日に3000ドルを超えた後も上昇を続け、19日は3050ドルを超える新記録を打ち立てた。
リゾルツ・ウェルス・マネジメント(Ritholtz Wealth Management)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、カリー・コックス(Callie Cox)氏は、追加利下げは株式を犠牲とする可能性が高いことをFRBは示唆していると述べ、次のように続けた。
「FRBは、インフレ目標に近づくにつれ、中立路線へと移行することに居心地の悪さを感じている。ソフトランディングは終わったと言えるだろう」。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Reclaims $85K Following Fed and Stocks Rose, but One Analyst Suggests Caution