ビットコインマイナーに圧迫感──ハッシュ価格が選挙後の上昇を失う

- ビットコインマイニングの収益は1PH/s(ペタハッシュ/秒)あたり45ドルに低下し、アメリカの選挙によって生じた上昇分が消失した。
- 取引手数料がブロック報酬に占める割合は2022年10月以来で最低となった。
- ビットコインマイニング株の主要15銘柄の時価総額は2月に140億ドル減少した。
TheMinerMagの2025年2月のレポートによれば、取引手数料の減少とハッシュ価格の下落により運営コストが増加したことで、ビットコイン(BTC)のマイナーは再び財務的な圧力に直面している。
ビットコインのハッシュレートは2月に3.8%上昇して810EH/s(エクサハッシュ/秒)となり、マイニング競争の伸びが鈍化していることを示している。しかし、ハッシュ価格(マイナーがコンピューティングパワー単位で得る収益)は1PH/sあたり45ドル(約6750円、1ドル150円換算)に下落し、アメリカの選挙に牽引された価格上昇から得られた上昇分を失った。この水準では非効率的なマイナーが苦境に立たされている。
取引手数料は2月には総ブロック報酬のわずか1.3%にとどまり、2022年の直近の弱気市場の底以来で最も低い割合となった。3月にはさらに低下する傾向を示しており、現時点までで1.12%となっている。
これらの要因に加え、人工知能(AI)データセンターとの競争が激化しており、ホスティング契約や軽資産戦略に依存するマイニング事業者へのさらなる圧力となっている。
マラソン・デジタル(Marathon Digital)は6%のハッシュレート増加後も44EH/sで業界トップを維持している。一方クリーンスパーク(CleanSpark)は12%増加して39EH/sとなった。またHIVEデジタル(HIVE Digital)やサイファー・マイニング(Cipher Mining)などの一部企業が生産されたビットコインを売却して拡張資金を調達する中で、マイナー全体のビットコイン保有量は初めて10万BTCを超えた。
マイニング株は打撃を受けており、主要15社の時価総額合計は1月の360億ドル(約5兆4000億円)から3月には220億ドル(約3兆3000億円)へと減少した。サイファー・マイニング、カナン(Canaan)、ハットエイト(Hut 8)、HIVEデジタル、ビットディア(Bitdeer)はいずれも40%以上の損失を記録した。
ネットワーク成長が鈍化しエネルギーコストが上昇する中で、マイナーがさらなる財務的な困難を回避するためにはビットコイン価格の上昇が必要となるかもしれない。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Miners Feel Squeeze as Hashprice Erases Post-Election Gains