ポリマーケットは世界情勢を90%の正確さで予測している:調査

- データサイエンティストのアレックス・マカルー氏によると、ポリマーケットは、プラットフォームの過去のデータを精査して極端な確率を除外したところ、最大94%の精度でイベントの結果を予測していることが明らかになった。
- ポリマーケットは、黙認バイアス、群集心理、流動性の低さ、ハイリスクな賭けへの嗜好といった要因により、イベントの確率を過大評価する傾向があるという。
- スポーツ市場は、結果の分布がより均衡しているため、時間の経過とともに予測精度が大幅に向上している。ポリマーケットでは、主要なスポーツの優勝予測に約45億ドルが賭けられた。
ニューヨーク市在住のデータサイエンティスト、アレックス・マカルー(Alex McCullough)氏によるDuneのダッシュボードによると、分散型予測市場のポリマーケット(Polymarket)はほぼ90%の精度で特定の出来事を予測できる水晶玉のような存在であることが判明した。
Duneのダッシュボードの要約によると、マカルー氏はポリマーケットの過去のデータを調査し、分析の精度を保つために、結果が既に判明しているがまだ確定していない状態で90%以上の確率または10%以下の確率のものを除外した。
ポリマーケットは、ほとんどのレンジにおいて、イベントの確率をわずかではあるが常に過大評価しており、これはおそらく、黙認バイアス、群集心理、流動性の低さ、参加者がハイリスクな賭けを好むといったバイアスが原因であることが、マカルー氏の研究により判明した。
ポリマーケットのブログ「The Oracle」のインタビューでマカルー氏は、長期的な市場、つまり、かなり先のイベントをベッターに予想させるものは、明らかにありそうにない結果が多く含まれるため、予測が容易になり、より正確に見えると説明している。
マカルー氏は、前回の選挙でギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)氏が大統領になるというベット(取引高は5400万ドル、約81億円:1ドル=150円換算)を例に挙げ、ポリマーケットの長期市場では、このように明らかに予測可能(ニューサム氏が大統領になれない)なものがしばしば含まれていることを示し、このプラットフォームの長期予測の精度を向上させているとした。
一方、スポーツの試合では、大統領選の穴馬候補のような極端なものは少なく、よりバランスの取れた分布となるため、予測の正確性をより明確に表すことがマカルー氏の調査で明らかになった。
データポータルのポリマーケット・アナリティクス(Polymarket Analytics)のデータによると、NBA、MLB、UEFAチャンピオンズリーグ、英プレミアリーグなどの優勝に関する賭けの総額は45億ドル(約6750億円)近くに上り、スポーツはポリマーケットの成長分野となっている。
カナダの総選挙に関しては、ポリマーケットでは自由党のマーク・カーニー(Mark Carney)新党首が保守党のピエール・ポワリエーブル(Pierre Poilievre)氏に大差をつけてリードしており、世論調査が示すよりもさらに大きな差がついている。マカルー氏のポリマーケットの正確性に関する調査結果は、カナダでも関心を集める可能性が高い。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ポリマーケットのシェイン・コプランCEO(CoinDesk)
|原文:Polymarket is 90% Accurate in Predicting World Events: Research