北朝鮮「ラザルス・グループ」、テスラよりも多くのビットコインを保有

- 北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」は、テスラよりも多くのビットコインを保有している。
- 先月、ラザルス・グループは暗号資産取引所バイビットを攻撃し、14億ドル相当のイーサリアムを流出させた。その一部はビットコインに変換されている。
- テスラはビットコインを大量に保有しているにもかかわらず、北朝鮮のハッカー集団の影に隠れてしまっている。
北朝鮮と密接な関係を持つハッカー集団「ラザルス・グループ(Lazarus Group)」が、電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)よりも多くのビットコイン(BTC)を保有していることが、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のデータから明らかになった。
アーカム・インテリジェンスのデータによるとラザルス・グループは記事執筆時点で、11億4000万ドル(約1710億円、1ドル=150円換算)相当の1万3441BTCを保有している。これは、テスラが持つ1万1509BTCよりも16%多い。

先月、ラザルス・グループは暗号資産(仮想通貨)取引所バイビット(Bybit)を攻撃し、プラットフォームから14億ドル(約2100億円)相当のイーサリアム(ETH)を流出させた。最近、盗まれたETHの一部がビットコインに変換され、1万2836BTCが9117の異なるウォレットに分散されているとバイビットのベン・チョウ(Ben Zhou)CEOが述べた。
テスラは4年前にビットコインを購入し、それ以来、長期保有を続けており、BTC保有高で世界第4位の上場企業となっている。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が暗号資産に対して前向きな姿勢を示したことで、世界中の企業や主権国家の間でBTCの採用を加速させるべきだという声が高まっている中で、テスラとラザルス・グループの対照的な状況が浮き彫りになった。
3月20日、トランプ大統領はアメリカを「議論の余地のないビットコイン大国、そして世界の暗号資産の中心地」にするという公約を再確認した。こうした背景を踏まえると、北朝鮮のハッカーに影を薄くされたテスラやその他のアメリカ企業がどう反応するのかは注目に値する。
一方、アメリカ政府は160億ドル(約2兆4000億円)相当の19万8109 BTCを保有しており、これは法執行措置で押収したコインだ。トランプ大統領は最近、これを戦略備蓄とすると発表した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:North Korea-Linked Lazarus Group Holds More Bitcoin Than Elon Musk’s Tesla