CryptoQuantのBTCブルスコア指数が2年ぶりの低水準に

- ビットコイン(BTC)は、1月のピークである10万9000ドルから23%という大幅な下落を経験し、新たな弱気相場が始まる可能性についての議論を巻き起こしている。
- ビットコインの市場の健全性を示す指標であるブルスコア指数は現在20と低く、市場力学が構造的に変化している可能性を示している。
- 投資家の収益性は低下しており、米国のビットコイン現物ETF(上場投資信託)は過去30日間で1億8000万ドル(約268億円、1ドル=149円換算)の純流出を記録し、需要の減少を示唆している。
短期的な価格下落はビットコインの強気相場では当然のことだが、ある指標は、最近の高値からの現在の下落が、市場力学のより深い構造的な変化を反映している可能性を示唆している。
ビットコインは欧州時間3月21日午前中に8万4000ドル前後で取引されており、1月のピークである10万9000ドルから23%下落している。
この下落は投資家を動揺させ、これが新たな弱気相場の始まりなのか、それともより広範な強気トレンドの中のつかの間の調整なのかという議論に火をつけた。
このような下落は珍しいものではない。ビットコインは過去の強気サイクルにおいて同様の下落を乗り切り、しばしば新たな高値へと反発してきた。
しかし、オンチェーン分析会社クリプトクオンツ(CryptoQuant)がビットコインの市場の健全性を測るために設計した複合指標のブルスコア指数は、より深い弱さの兆候を示している。
この指数は、ネットワーク活動(取引高など)、投資家の収益性、市場の流動性など、10の重要な指標を評価し、0から100までのスコアを割り当てる。スコアが高いほど堅調で強気な環境を示し、低いほど弱気な状況を示す。
現在のところ、ブルスコア指数は20と、巨大暗号資産取引所FTXの破綻後、ビットコインが1万6000ドル前後で推移していた2023年1月以来の低水準となっている。
2024年12月以降、ネットワーク活動は弱気になっており、取引高と流動性は枯渇するなど、同指数が追跡する10指標のうち8指標に警告の兆しが出ている。
「歴史的に、ビットコインはブルスコアが60を上回った時のみ大幅な価格上昇を維持しており、40を下回る数値が長期化した時期は弱気相場と一致している」とクリプトクオンツのアナリストは3月20日のレポートで述べている。
短期保有者が含み損に直面し、投資家の収益性が低下する一方、需要は低下している。かつて積極的な買い手であった米国のビットコインETFは、過去30日間で1億8000万ドルの資金流出を記録。これは2024年1月の取引開始以来、最高水準の流出だ。
過去のサイクルでは、ビットコインがピークから60%以上下落した2022年の低迷のように、長期の弱気局面の前には、数週間または数カ月にわたって40を下回る数値が続いた。
今後数週間が極めて重要だ。ブルスコア指数が反発し、新たな強さを示すか、あるいは40を下回る数値が定着して弱気へのシフトを確実なものにし、アナリストが警戒すべき重要なレベルとして指摘している、ビットコインのサポートゾーンである8万ドルを試す可能性があるのだろうか。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:CryptoQuant’s Bull Score Index Falls to 2-Year Lows Signaling Pain for BTC Bulls