ぷらっとホームとSecuritizeがRWA事業で提携──日本酒流通実証から開始

ぷらっとホームとセキュリタイズ・ジャパン(Securitize Japan)は21日、RWA(Real World Assets:現実資産)のトークン化に関する事業提携を発表した。

この提携により、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を持つぷらっとホームと金融領域のトークン化実績を持つセキュリタイズの技術が融合し、現実世界の資産をブロックチェーン上でトークン化する新たな市場創出を目指す。

両社は現在、「真空技術とWeb3技術を活用したあたらしい日本酒体験創出のための流通実証事業」を共同で進めている。この実証事業では、日本酒メーカーや卸、真空容器技術などと連携し、IoT・Web3技術の活用によって品質維持と流通効率化を図り、物流コスト削減と新たな消費体験創出を目指している。

ここに、ぷらっとホームの「ThingsToken™」技術とセキュリタイズのプラットフォームが活用され、エコシステム内の権利やインセンティブの発行・管理システムが構築されている。

ぷらっとホームは1993年創業のIoT/マイクロサーバー企業で、近年はWeb3技術の開発と実証事業を推進。セキュリタイズ・ジャパンは米Securitizeの日本法人で、セキュリティトークン(ST)・ソリューションを提供している。

両社はこの提携を通じて、IoTデバイスが取得する都市データの資産化、産業用IoTデータの資産化、設備利用権のトークン化、ESG(企業の「環境・社会・ガバナンス」評価基準)データのトークン化、知的財産のトークン化などの分野でRWA事業を展開する計画だ。

米大手コンサルタントのマッキンゼーによると、RWAのトークン化市場は2030年までに全世界で320兆円規模に成長すると予測されており、国内でも様々な事例が生まれてきている。

ソニーグループのSNFTは盆栽師の平尾成志氏とコラボレーションし、NFT購入者が実物の盆栽作品の所有者となり管理サービスも受けられるプロジェクトを開始した。

鎌倉インターナショナルFCはサッカースタジアムの1平米単位をNFT化し、所有区画と試合展開を連動させた特典が得られるシステムを構築するなど、多様な活用が広がっている。

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サッカーグラウンドの1平米がNFT化、試合連動で特典も──鎌倉インターナショナルFC

こうした市場の盛り上がりを受けて、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は3月13日、「RWAトークンの利活用に関するガイドライン」を公表。

このガイドラインでは、トークンの移転とそれに紐づく現実資産の移転を法的に確実にするための要件整理や、各種RWAトークンの権利義務関係の実務上の整理などが行われており、今後のRWA事業の発展を後押しする環境が整備されつつある。

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|文:栃山直樹
|画像:リリースから