フィリピン最大のデジタルウォレットGCashがUSDCをサポート
  • フィリピン最大のデジタルウォレット「GCash」は、ステーブルコインのUSDCのサポートを発表し、サークルのステーブルコインネットワークを約1億人のユーザーに拡大した。
  • 中国のアント・グループ、アヤラ・コーポレーション、917Venturesが所有するこのデジタルウォレットは、年間650億ドル以上の取引を処理しており、子会社のGCryptoを通じて暗号資産サービスを提供している。
  • 最近、80億ドル規模のIPOの可能性が報じられたものの、50億ドルの企業価値があると評価された資金調達ラウンドを経たGCashは、株式公開を急ぐ必要はない。

フィリピン最大のデジタルウォレット「GCash」は、サークル(Circle)のUSDコイン(USDC)をサポートすると発表した。

公開されているデータによると、中国のアリペイ(Alipay)やウィーチャットペイ(WeChat Pay)に似たGCashの年間取引額は650億ドル(3兆8000億フィリピンペソ、約9兆7500億円:1ドル=150円換算)を超えている。

フィリピン人の送金額は2024年に過去最高の383億ドル(約5兆7450億円)に達し、同国のGDPの約8~10%を占める。

アリペイの親会社であるアント・グループ(Ant Group)、アヤラ・コーポレーション(Ayala Corporation)、マニラを拠点とするグローブ・テレコム(Globe Telecom)の917Venturesが、GCashの運営会社Myntを所有する。GCashは、ライセンスを取得している暗号資産(仮想通貨)取引所のPDAXと提携する子会社GCryptoを通じて暗号資産サービスを提供している。

GCryptoは、ペイパル(PayPal)のステーブルコインであるPYUSDを含む、合計39種類の暗号資産をプラットフォーム上で取引できる。ステーブルコインベースの送金は市場シェアを伸ばしているが、依然として比較的小規模であり、暗号資産を使用したすべてのインバウンド送金の5%未満にとどまっている。

最近、ブルームバーグは、GCashが2025年末までに少なくとも80億ドル(約1兆2000億円)のIPO評価額を目指す可能性があると報じた

しかし同社は、最近50億ドル(約7500億円)の評価額で資金調達ラウンドを完了したばかりであり、好条件の市場環境を待つのに十分な資本と柔軟性があるため、株式公開を急いでいないと伝えられている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:サークルのジェレミー・アレールCEO(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Philippines’ Largest Digital Wallet GCash Adds USDC Support