トランプ大統領が支援するプロジェクト、ステーブルコイン「USD1」をテストか

- トランプ大統領が支援するDeFiプラットフォーム「ワールド・リバティー・フィナンシャル(WLFI)」が、イーサリアムとBNB Chainでドル連動型ステーブルコインをテストしているのではないかとの憶測が広がっている。
- 「USD1」と表示されたトークンは、デジタル資産取引会社ウィンターミュートや暗号資産カストディ会社ビットゴーに関連した送金など、活発な動きを見せており、両ネットワーク上で約350万の供給量を示している。
- WLFIは、USD1はまだ取引できず、詐欺に注意してほしいとXで警告している。
暗号資産(仮想通貨)関係者は3月24日、トランプ米大統領とその家族が支援するDeFi(分散型金融)プラットフォームのワールド・リバティー・フィナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)は、ドル連動型ステーブルコインを一般展開する前にテストしている可能性があると推測した。
この日、ブロックチェーン上の取引履歴などを閲覧できるWebサイト、いわゆるブロックチェーン・エクスプローラーのEtherscanおよびBscScanでは「World Liberty Financial USD(USD1)」と表示されたトークンの取引が活発化していた。ブロックチェーンのデータを見ると、USD1は今月初めにイーサリアム(Ethereum)とBNB Chain上に展開され、数週間にわたって取引が行われている。
アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のデータによると、送金の一部には、大手デジタル資産取引会社およびマーケットメーカーであるウィンターミュート(Wintermute)、および暗号資産カストディ事業者のビットゴー(BitGo)に関連付けられたアドレスが含まれていた。EtherscanとBscScanによると、トークンの供給量は現在、イーサリアムととBNB Chainで約350万~350万となっている。

大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)の創業者CZこと、チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、BscScanでのUSD1のプロフィール画面のスクリーンショットとともに、同プロジェクトをBNB Chainに「歓迎」するとXに投稿。同氏のXのフォロワーは約1000万にのぼため、USD1に大きな注目が集まった。
その後、ジャオ氏は、こうした注目を利用しようとする多くの模倣プロジェクトが出現していると警告している。
WLFIもジャオ氏の投稿に反応し、USD1はまだ取引できず、詐欺に注意してほしいとXに投稿した。
ステーブルコインに再び関心
WLFIは、昨年、トランプ大統領の支持を受けた初の暗号資産プロジェクトの1つとして話題となった。WLFIは、暗号資産の貸し借り、流動性プールの作成、ステーブルコインでの取引が可能なブロックチェーンベースのマーケットを提供することを目指している。
WLFIが独自のステーブルコイン開発に取り組んでいることは広く知られているが、トークン発行の正確な計画や時期について公式な発表は行われていない。米CoinDeskはWLFIに問い合わせを行ったが、当記事執筆時点までに返答はなかった。
ステーブルコインは暗号資産業界で最も急速に成長している分野の1つであり、ブロックチェーンのキラーユースケースとして広く認識されている。主に米ドルなどの外部資産に価格が連動しているため、暗号資産の取引ペアに広く使用されている。また、日常的な決済、送金、貯蓄にも使用されるケースが増えており、多くのベンチャーキャピタル(VC)投資家の注目を集めている。
この数カ月間、トランプ政権がステーブルコイン規制を暗号資産に関する議題の最優先事項に位置づけたことで、ステーブルコインに対する関心が再び高まっている。スコット・ベッセン財務長官は、ステーブルコインは世界的な基軸通貨としての米ドルの役割を維持するうえで重要な役割を担うと述べている。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:World Liberty Financial-Labeled Tokens Spark Speculation of Trump-Backed Project’s Stablecoin Launch