「マグニフィセント・セブン」はテスラをBTCに置き換えるとリターン向上:スタンダードチャータード

- スタンダードチャータード銀行のレポートによれば、ビットコイン(BTC)はナスダックとの相関性が一段と強いため、投資家はビットコインをデジタルゴールドよりもハイテク株のように見るべきである。
- 同レポートは、ビットコインでテスラを置き換えることで、「マグニフィセント・セブン」ハイテク株銘柄の再構築を提案している。そうすると、過去7年間の平均でより高いリターンと低いボラティリティがもたらされる。
- 資産運用会社の中には、分散投資のためにビットコインを投資ポートフォリオに組み込むことを提唱しているところもあり、ブラックロック(BlackRock)は従来の株式と債券のポートフォリオに最大2%の配分を推奨している。
ビットコイン支持者は、ビットコインを金のデジタル版と考えるのが一般的だが、世界的な銀行であるスタンダードチャータードの新しいレポートによれば、投資家はビットコインを、いくつかの特別な強みを持つハイテク株と見るべきである。
ジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏が率いるスタンダードチャータードのチームは、ビットコインとナスダックの相関性は、昔からある安全な避難先資産である金との相関性よりも「ほぼ常に」強いと述べている。
ビットコインは、2023年の地方銀行危機のような金融不安や、持続不可能と思われる軌跡をたどる米国債などから身を守る場所としての役割を持つかもしれないが、現実にはそのようなヘッジの必要性はほとんどないため、より伝統的なハイテク株のような振る舞いを強めているとレポートは指摘している。
「投資家は、ビットコインを伝統的金融(TradFi)に対するヘッジとして、そしてハイテク株への配分の一部としても見ることができる」とケンドリック氏は語った。しかし、少なくとも「短期的には、ビットコインはTradFiの問題に対するヘッジとしてよりも、ハイテク株として見た方がよいかもしれない」と、ケンドリック氏は付け加えた。
ハイテクポートフォリオの一部としてのビットコインというアイデアについて検討する中で、レポートはいわゆる「マグニフィセント・セブン(マグ7)」銘柄の再構築を提案した。
マグ7とは、アップル、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、メタ、テスラのことで、最近の市場全体の上昇を牽引してきた時価総額の非常に大きなハイテク株銘柄である。スタンダードチャータード提案する新しい「マグ7B」は、テスラをビットコインで置き換えるものだ。
その結果はどうなるかというと、マグ7Bは過去7年間、本来のマグ7よりも一貫して高いリスク調整後リターンを出し、ハイテクに特化したポートフォリオにおけるビットコインの役割を確かなものにしている、とケンドリック氏は言う。
マグ7Bはマグ7を平均で約1%アウトパフォームし、年間ベースでボラティリティは約2%低下した。これは機関投資家や大規模な資産配分担当者にとって重要な強みである、とケンドリック氏は続けた。

「ビットコインは、投資家のポートフォリオにおいて複数の役割を果たすと考えるべきだ。そうなれば、機関投資家の買いがさらに増える可能性が出てくる」とケンドリック氏は指摘する。
資産運用会社は、分散投資の目的でビットコインを投資ポートフォリオに組み込むことを提唱している。例えば、世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、従来の株式と債券のポートフォリオに最大2%のビットコイン配分を検討することを推奨している。
一方、21シェアーズ(21Shares)やビットワイズ(Bitwise)などの資産運用会社は、補完的な資産として金とビットコインを組み合わせたETF(上場投資信託)を立ち上げている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ds_30/Pixabay
|原文:Mag 7 Returns Would Improve With Bitcoin Replacing Tesla: StanChart