バイナンスウォレット、フロントランニング疑惑で従業員を停職処分に
By
Sam Reynolds

- バイナンスウォレットは、BNBチェーンでの過去の職務で得た機密情報を利用してトークンローンチでフロントランニングを行ったとして告発されたスタッフを、停職処分にした。
- この従業員はトークン生成イベントの前に大量のトークンを購入し、手っ取り早く利益を得るためにその一部を売却したとされている。
- バイナンスの調査ではインサイダー取引の証拠は見つからず、同社は法的措置のために当局に協力する予定。
バイナンスウォレットチームは25日、BNBチェーンでの過去の職務で得た機密情報を利用してトークンローンチでフロントランニングを行ったとして告発されたスタッフを停職処分にしたと、Xの投稿で発表した。
この従業員はトークン生成イベント(token generation event:TGE)に先立ち、複数のウォレットを通じてコインを購入し、その後、手っ取り早く利益を得るために保有コインの一部を売却したとされている。
「この行為は、過去の職務で得た非公開情報に基づくフロントランニングであり、会社のポリシーに明確に違反する」とウォレットチームの声明に書かれている。
バイナンスの調査では、ウォレットチームの従業員たちがインサイダー取引に関与した証拠は見つからなかった。同社によると、従業員たちが使用した情報はウォレットチームではなく、BNBチェーンに在籍していたときに入手したデータに基づいているという。
バイナンスは、関係当局と協力して適切な法的措置を追求すると述べた。
コインベースでの類似事例
バイナンスがこのウォレット従業員を停職処分にしたことは、コインベース(Coinbase)の2023年のスキャンダルと重なる。このスキャンダルでは、コインベース元マネージャーのイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)氏が、弟とその他の人物にトークン上場の詳細を漏らしたことを認めた。
コインベースは、ワヒ氏が内部取引していたトークンは証券であるという米証券取引委員会(SEC)の告発に異議を唱え、最終的に訴訟事件に発展した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Binance Wallet Suspends Staff Member Over Front-Running Allegations