主要な指標はXRPの強気相場終了を示唆:テクニカル分析
  • SECのニュースを受けて、XRPは先週19日に11%以上急騰し、2.59ドルまで達した。その後の動きは弱く、価格は2.30ドルから2.50ドルの範囲で推移している。
  • XRPの3本足チャートに表示された赤いバーは、強気から弱気への変化を示しており、MACDヒストグラムは、下降トレンドの勢いが強まっていることを示している。
  • ボリンジャーバンドは、歴史的に強気相場のピークとそれに続く下降局面を特徴づけるパターンを模倣している。

「強気さが足りない!」と先週、エックス・アール・ピー(XRP)の熱狂的なファンがX上で叫んだ。クロスボーダー取引にトークンを利用しているリップル(Ripple)社が、アメリカ証券取引委員会(SEC)が同社に対する訴訟を取り下げたと発表した後のことだった。

この気持ちを共有する人は多く、それも当然のことだろう。長年の法廷闘争の結末により、2021年の強気相場におけるXRPのパフォーマンスを妨げていた重しが取り除かれたからだ。さらに、XRP ETF(上場投資信託)の話題や、トークンがアメリカの戦略備蓄の一部になるのではないかという期待もある。

しかし、最近の価格動向は上記の楽観的な見方を反映しておらず、主要な指標がトレンドの大幅な弱気転換を示し、今後著しい価格下落が起こる可能性があることを警告している。

XRPは先週19日、SECのニュースを喜ぶ投資家たちの期待を反映して、11%以上急騰し、2.59ドルまで上昇した。しかしそれ以降は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が4月2日に予定している相互貿易関税が当初の予想よりも控えめなものになるだろうとの楽観論にもかかわらず、価格は2.30ドルから2.50ドルの範囲で推移しており、強気相場とは程遠い展開となっている。

新値3本足チャート

弱気トレンドの反転を示す最初の指標は、新値3本足チャートだ。これは、短期的なノイズを排除しながら価格変動のみに焦点を当て、恣意的・裁量的な取引ルールではなく、市場が示唆するトレンドの変化を特定する。

このチャートは、ラインまたはバーと呼ばれる赤または緑のブロックで構成されている。強気の反転は、緑のバーが現れ、価格が直近3つの赤のバーの最高値よりも高い位置で推移しているときに起こる。逆に弱気な転換は、新しい赤いバーが現れ、それが直近3つの緑のバーの最安値を上回ることで示される。

XRPの場合、今月初めに週足チャートで新しい赤いバーが現れ、SECのニュースの後もそのまま維持されています。「週足」とは、このチャートが1週間の価格情報を集約していることを意味する。

[XRPの新値3本足チャート(週足)。:TradingView/CoinDesk]

新しい赤いバーは、強気から弱気への変化を示している。同様のパターンは、2021年と2018年初頭の長引いた弱気相場の始まりを特徴づけていた。

MACD(マックディー:移動平均収束拡散)

トレンドの強さと変化を測るために使用されるMACD(マックディー:移動平均収束拡散)ヒストグラムは、週足チャート上でゼロラインの下に深い棒グラフを生み出している。これは、下方への勢いが強まっている兆候だ。

同じ指標は11月にプラスに転じ、その後、価格は1ドルから3ドル以上に急騰した。

5週および10週の単純移動平均(SMA)も弱気なクロスを示しており、抵抗が最も少ないのは下方であることを示唆している。

[XRPのMACDと週足ローソク足チャート。:CoinDesk/TradingView]

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド(XRPの20週単純移動平均の上下に標準偏差2のラインを置いた変動帯)は、2024年後半から2025年前半にかけての急激な価格上昇を受けて拡大した。

歴史的に見ると、2021年半ば以降や2018年初頭に見られたように、ボリンジャーバンドが急激に拡大した後は価格が下落する傾向にある。

[ボリンジャーバンド付きのXRPの週足チャート。:CoinDesk/TradingView]

強気相場はいつ訪れるのか?

3月2日に記録された3ドルへの値動きが見られれば、弱気相場の設定は無効となり、新たな強気なテクニカル見通しが示されることになる。

一部のアナリストは、XRPが今世紀末までに10ドルに達する可能性があると予想している。

[XRPの日足チャート。:CoinDesk/TradingView]

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Indicators Show XRP’s Bull Run May Be Finished; $3 is the Level For Bulls to Beat: Technical Analysis