米自動車メーカー大手、ゼネラルモーターズ(GM)の金融子会社が、ブロックチェーンのベンチャー企業スプリング・ラボ(Spring Labs)とタッグを組み、ユーザーの本人確認における強化を図る。
ドナルド・トランプ大統領のアドバイザーを務めたゲイリー・コーン(Gary Cohn)氏をアドバイザーに置くスプリング・ラボ。同社は2019年2月11日(現地時間)、GMがスプリング・ラボの株式取得を検討していることを明らかにした。
スプリング・ラボは、現在開発を進めている本人確認を目的としてプロダクトに加えて、自動車金融およびGMにおける使用事例を検討しているという。広報担当によると、同社は2019年第3四半期に、開発中のブロックチェーンネットワークのベータ版を完成させる計画だ。
GMの広報担当者は、スプリング・ラボの株式取得に関するコメントを出さなかった、GMフィナンシャル(General Motors Financial Co.)・最高戦略責任者のマイク・カナリオス(Mike Kanarios)氏は11日の発表文の中で、こう述べている。
「本日の発表はこのエリアにおける我々の投資とコミットメントを裏づけるものである。SFIPプログラムの一メンバーであるスプリング・ラボとの連携を深めていきたい」
SFIP(Spring Founding Industry Partners)は、個人の本人確認におけるソリューションを創り、個人IDの不正を防ぐことを目的とする組織。スプリング・ラボによると、SoFIやOnDeck Capital、Avantなど多くのフィンテック企業が同プログラムに参画しているという。
個人向けローン・プラットフォームを展開するAvantの経営メンバーにより2017年に創設されたスプリング・ラボ。同社が開発を進めるブロックチェーンを基礎としたネットワークは、銀行やデータを提供する事業者などが、基礎的なデータソースをシェアすることなく、情報を交換するというもの。
スプリング・ラボは2018年3月に、総額1475万ドル(約16億円)をシードラウンドで調達している。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:General Motors logo image via Shutterstock
原文:GM Financial Partners With Blockchain Startup to Fight Identity Fraud