ビットコイン、120億ドル相当の四半期オプション満期に大きく動揺しない可能性:デリビット
  • デリビットでは28日、数十億ドル相当のビットコインオプションが満期を迎えるが、同取引所は大きな市場変動は予想していない。
  • 今回の満期には13万9000を超えるビットコインオプション契約が含まれており、これはアクティブなビットコイン契約全体の約45%に相当。
  • 満期の規模は大きいものの、ビットコイン30日インプライド・ボラティリティ指数や年率換算の永久先物ベーシスなどの指標は、控えめなボラティリティ予測を示している。

デリビット(Deribit)では28日、数十億ドル相当のビットコイン(BTC)オプションが満期を迎える。同取引所はCoinDeskに対し、差し迫った決済は規模が大きいが、大きな市場変動をもたらさない可能性があると語った。

データソースのDeribit metricsによると、今週28日に、121億3000万ドル(約1兆8200億円、1ドル150円換算)相当の13万9000件を超えるビットコインオプション契約が決済される予定で、これはすべての満期を通じたアクティブなビットコイン契約全体の約45%を占める。

総建玉の65%以上は、買い手に非対称な強気エクスポージャーを提供するコールオプションに集中しており、残りは下落リスクの保護を提供するプットオプションだ。

四半期ごとにこのような大規模な満期を迎えると、市場のボラティリティが高まることが知られているが、ビットコイン30日インプライド・ボラティリティ指数(DVOL)が引き続き下落していることから、今回はそうならない可能性がある。満期を迎えるまでの数週間で、DVOLは年率62%から48%に低下しており、控えめなボラティリティ予測を示している。

デリビットの年率換算の永久先物ベーシスが約5%であることからも同様の結論が導き出され、資金調達環境が落ち着いていることを示している。

「満期の規模にもかかわらず、低水準のDVOL、穏やかなベーシス、バランスの取れたオプションポジショニングなどの全体的なセットアップは、外部カタリストが現れない限り、比較的落ち着いた満期になることを示唆している」とデリビットのCEOであるルーク・ストライジャーズ(Luuk Strijers)氏はCoinDeskに語った。

[デリビット:ビットコインの四半期オプションの満期(Deribit Metrics)]

下振れリスク回避の動きも

コールとプットの相対的なインプライド・ボラティリティ(価格)の差を測定するオプションスキューは、28日の満期を前に下振れ懸念を示している。

とはいえ、全般的な見通しは依然として建設的だ。

「3日間のプット・コール・スキューはわずかにプラスで、当面の下振れを回避する需要を示している一方、30日間のプット・コール・スキューはわずかにマイナスで、中期的にはより強気な見通しを示している」とストライジャーズ氏は指摘した。

28日には、28億ドル(約4200億円)相当のイーサリアム(ETH)オプションも満期を迎える。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:デリビット:ビットコインの四半期オプションの満期(Deribit Metrics)
|原文:Bitcoin’s $12B Quarterly Options Expiry Unlikely to Cause Major Market Reaction, Deribit Says