ブラックロックとセキュリタイズ、17億ドル規模のトークン化マネーマーケットファンドBUIDLをソラナに拡大

- 昨年イーサリアムブロックチェーンでローンチされたブラックロックのBUIDLファンドがソラナブロックチェーンで利用できるようになった。
- このトークン化ファンドは、現金と米国債で17億ドルを保有しており、4月までに20億ドルに達する見込みだ。
- この拡大は、大手資産運用会社によるブロックチェーンベースの金融商品の採用が進展していることを反映している。
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のトークン化されたマネーマーケットファンド「BUIDL」が、ソラナ(Solana)ブロックチェーンで利用できるようになった。セキュリタイズ(Securitize)が発表した。ブラックロックがブロックチェーンベースの金融に進出する上でさらに一歩前進したことになる。
今回の拡大により、BUIDLはイーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、アプトス(Aptos)、アービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)を含む7つのブロックチェーンで利用可能になった。ただし、rwa.xyzのデータによると、現在オンチェーンでBUIDLを保有しているウォレットはわずか62個だ。
このファンドの正式名称は「ブラックロック米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)」。現金と米国債で構成される短期で利回りを生み出すポートフォリオと、ブロックチェーンの決済・送金機能を組み合わせている。セキュリタイズによると、2023年にイーサリアムブロックチェーンで導入されて以来17億ドル(約2550億円、1ドル150円換算)を集めており、4月初旬には20億ドルに達する見込みだ。
セキュリタイズの共同創設者兼CEOであるカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏は声明で、「BUIDLの立ち上げから1年が経過し、トークン化された現実資産(RWA)に対する需要が大幅に増加しており、機関グレードの製品をオンチェーンに導入する価値が高まった」と指摘。「現実資産やトークン化された国債の市場が勢いを増す中、スピード・スケーラビリティ・コスト効率の点で有名なブロックチェーンであるソラナにBUIDLを拡大するのは次のステップとして自然だ」と述べた。
マネーマーケットファンドは通常、投資家が余剰資金で利息を得ることができるが、取引時間が制限されるなどの制約がある。これに対して、BUIDLのようなブロックチェーン版は常時アクセス可能だ。
ブラックロックだけではなく、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)も類似のトークン化ファンドを提供している。現在の時価総額は6億9200万ドル(約1038億円)で、保有者は558人に上る。また、フィギュア・マーケッツ(Figure Markets)は最近、YLDSという利息付きステーブルコインを立ち上げた。他の主要なトークン化国債ファンドには、ハッシュノート短期利回りコイン(USYC)やオンド米ドル利回り(Ondo U.S. Dollar Yield)がある。
トークン化された米国債市場は、トークン化資産の中でも最も急成長している分野の一つ。rwa.xyzのデータによると、過去1年間で6倍近く成長し、最近時価総額が50億ドル(約7500億円)を突破した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:BlackRock, Securitize Expand $1.7B Tokenized Money Market Fund BUIDL to Solana