強気材料と思われるゲームストップのニュースにもかかわらず、ビットコインは下落に転じる

- ビットコイン(BTC)は、ゲームストップ(GameStop)によるビットコイン財務戦略採用発表後の値上がりが短命に終わり、3月26日の米国取引時間中に再び8万7000ドルを割り込んだ。
- ゲームストップがビットコインを購入することがそもそもなぜ強気と見なされるのか、多くのフォロワーを抱えるあるアナリストは疑問を呈した。
- 26日はリスク資産全般が下落し、おそらく暗号資産(仮想通貨)に圧力をかけている。
3月25日のゲームストップによるビットコイン財務戦略発表後のビットコインの値上がりは、8万9000ドルレベル手前で止まり、26日の米国取引時間中、明らかに下落に転じた。
米東部時間の正午過ぎ、ビットコインは夜間の高値から約3%値下がりして、8万6500ドルとなった。広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、過去24時間で1.9%下落し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、アーベ(AAVE)は約3%~4%下落した。
この値動きは、米国のリスク資産が弱さを見せる中で起こった。S&P500とナスダック指数はそれぞれ0.8%、1.6%下落し、24日の取引開始以来の上昇の大半を帳消しにした。
米国の債務上限をめぐる新たな懸念がおそらく、市場を覆っている。米議会予算局は26日、議会が債務上限を引き上げなければ、連邦政府は早ければ8月にも資金不足に陥る可能性があるとの警告を発表した。また、4月2日に発動が予定されている米国の関税も投資家心理に重くのしかかっている可能性がある。
ヘッジファンドQCPのアナリストは「米国の通商政策とより広範な政治情勢をめぐる不確実性が依然として念頭にある」と述べ、次のように続けた。
「市場はまだ、これらの政策の範囲、タイミング、規模について明確な情報を得ていない。それまでは、横ばいのボラティリティが続くだろう」。
ゲームストップのビットコイン購入は強気材料か?
一方、ビットコイン強気派は、新たにビットコイン投資を計画している大手企業のニュースに価格がポジティブに反応しないため、再び頭を悩ませている。
「ゲームストップのようなゾンビ企業が魔法の切り札としてマイケル・セイラー氏に倣ったビットコイン財務戦略を採用することは、明確な頭打ちのサインになるだろう」と、多くのフォロワーを抱えるアナリスト、ジェームス・チェック(James Check)氏は1年前に述べており、今回のゲームストップによる発表後の24日の夕方にその主張を繰り返した。
チェック氏は、資金を燃焼し、そのマイニング活動によってもたらされる以上のビットコインを集めていた上場マイニング企業についても同様のことを言ったと振り返った。
「3カ月前、私は2022年の弱気市場で見られたように、このサイクルの過剰なセルサイドがどこで来るのか、主張を組み立てることができなかった….数カ月後には、再びそのような主張を組み立てることができるようになるだろう」
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:3月26日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Rally Reverses Despite Supposedly Bullish GameStop News