ビットコイン財務戦略採用のゲームストップ株、16%急騰
  • ゲームストップ(GameStop)の株価は、同社がバランスシートに追加するためにビットコイン(BTC)の購入を開始するという発表を受けて16%上昇した。
  • 同社はビットコイン購入の金額や時期を明らかにしておらず、ソーシャルメディア上で憶測を呼んでいる。

コンピュータゲーム小売大手ゲームストップの株価は3月26日、同社がバランスシートに追加するためにビットコインの購入を開始すると発表したことを受けて、16%値上がりした。

25日に行われた第4四半期決算で、ゲームストップは48億ドル(約7200億円、1ドル=151円換算)の現金保有を報告した。

ライアン・コーエン(Ryan Cohen )CEOは数週間前、バランスシートへの追加のためにビットコインを購入することに興味を示していた。ETFを通じてゲームストップのオーナーであるストライブ・アセット・マネジメント(Strive Asset Management)のマット・コール(Matt Cole)CEOも、ビットコイン購入を促していた。

ゲームストップは25日、その保有現金の一部が将来、ビットコインと米ドル連動型ステーブルコインに投入されると発表したものの、その金額や購入のタイミングについては明らかにしなかった。

この計画はソーシャルメディア上で憶測の嵐を巻き起こした。 ゲームストップはどれだけのビットコインを取得するのだろうか?

ゲームストップによるビットコインへの配分はおそらく大きなものになるだろうと、プロフェッショナル・キャピタル・マネジメント(Professional Capital Management)の創業者兼CEOであるアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏は考えている。ゲームストップが現金の1~2%をビットコインに振り向けるだけであれば、非常に官僚的な取締役会の承認プロセスを経ることはないだろうというのが、ポンプリアーノ氏の見立てだ。

「ライアン・コーエン氏は、バランスシート資産としてのビットコインに大きな賭けに出る可能性が高い。投資方針の変更に時間とエネルギーをかけるのは、重大な量の現金をビットコインに投入しようとしている場合だけだ」と、ポンプリアーノ氏は指摘した。

ポンプリアーノ氏はまた、コーエン氏が現在、Xで3つのビットコイン関連アカウントをフォローしていることを指摘し、「筋金入りのビットコイナーの行動 」と見ている。

330億ドルを費やして50万ビットコイン以上を取得したストラテジー(Strategy)社のマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏がXに投稿した投票によると、セイラー氏のフォロワーは、ゲームストップが 「ビットコイナーから尊敬される 」ためには、少なくとも30億ドル相当のビットコインを保有する必要があると考えている。

ゲームストップがストラテジー社と同じくらい積極的にビットコインを購入する予定があるかどうかは明らかではない。ストラテジー社は、社債発行を含め、ビットコイン購入資金を賄うために多くの創造的な資金調達メカニズムを展開してきた。

しかし、ストラテジー社の壮大なビットコイン購入物語は、新型コロナウイルスパンデミック時代のコスト削減によって生み出された2億5000万ドルという控えめな現金準備から始まった。

元債券トレーダーのジョシュ・マンデル(Josh Mandell)氏によれば、ゲームストップの株価上昇は、ビットコイン価格の変動に強いと証明されるかもしれない。というのも、同社はビットコインを購入すると言っているだけで、まだ所有していないからだ。マンデル氏はソーシャルメディア上で、ゲームストップの株価とビットコイン価格の不思議な関係を指摘し、「この状況を理解できるように説明しろとは誰にも頼まない」と続けた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:QualityHD / Shutterstock.com
|原文:GameStop Bitcoin Pivot Spurs Social Media Chatter as Stock Soars 16%