コアウィーブ、評価額を230億ドルに大幅引き下げと報道──暗号資産に打撃の可能性

- セマフォーの報道によると、コアウィーブはIPOの規模と評価額を大幅に引き下げている。
- ビットコインマイナーのコア・サイエンティフィックと密接に関連するAIインフラ企業であるコアウィーブは、昨年19億ドルの収益を上げた。
- AI関連の支出に対する市場の警戒と最近のテクノロジー株の苦戦が、このIPO縮小に影響している可能性がある。
AIインフラ企業コアウィーブ(CoreWeave)が、新規株式公開(IPO)のわずか1日前にその規模の縮小を検討している。セマフォー(Semafor)が報じた。
この記事によると、コアウィーブは以前、300億ドル(約4兆5000億円、1ドル150円換算)の評価額で30億ドル(約4500億円)を調達すると見込まれていたが、規模が縮小され、評価額はわずか230億ドルに引き下げられた。
ブルームバーグ(Bloomberg)の別の記事では、コアウィーブは現在15億ドルのみの調達を目指しているとされている。
コアウィーブはビットコインマイナーのコア・サイエンティフィック(Core Scientific)と密接なパートナーシップを結んでいる。IPOの結果が良好で、今後数年間にわたって強力な収益成長を維持できれば、コア・サイエンティフィックはIPOから利益を得ることが期待されていた。
アメリカの取引時間の序盤では、コア・サイエンティフィックの株価はごくわずかに上昇しているが、過去1カ月間や2025年全体では大幅に下落している。AI関連の暗号資産(仮想通貨)であるニアプロトコル(NEAR)、インターネットコンピューター(ICP)、レンダー(RENDER)は、すでに下落していたところからさらに若干下落した。
コアウィーブは、AIサービスに対する需要が急増する中、2024年に19億ドル(約2850億円)の収益を上げた。しかし、コアウィーブとAI大手オープンAI(OpenAI)との新たな120億ドル(約1兆8000億円)の契約が、IPOの計画よりもコアウィーブにとって大きな意味を持つ可能性があると一部の人は考えている。
コアウィーブの評価額引き下げは、今年に入ってからテクノロジー株が他の市場セクターに遅れをとっている中で起きたものだ。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領によって課された断続的な関税の結果とAI企業の支出に関する懸念がこの要因の一つになっている。
コアウィーブは28日にナスダックに上場し、株式市場に上場する最初のAI企業となる。本稿執筆時点では、同社の代表者からのコメントは得られなかった。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk archives
|原文:Possible Blow to Crypto as CoreWeave Reportedly Slashes Valuation to $23B