金連動型トークン、3月は取引高急増で時価総額は過去最高の約2100億円に
  • CoinDesk Dataのステーブルコインレポートによると、ゴールドを裏付けとするトークンの時価総額は3月、過去最高の14億ドル(約2100億円、1ドル=151円換算)に達し、テザー(Tether)のテザーゴールド(XAUT)とパクソス(Paxos)のパックスゴールド(PAXG)が市場をリードしている。
  • テザー社のUSDTは時価総額1440億ドルに上昇したが、市場シェアと取引高の優位性は低下した。
  • 規制の変更がユーロ連動型ステーブルコイン市場に影響を与えており、サークルのEURCステーブルコインは30%近く成長し、時価総額は1億5700万ドルに達した。

トークン化された金の時価総額は3月、過去最高の14億ドルまで増加し、取引高も年初来の高水準に急増していることが、CoinDesk Dataの月次ステーブルコインレポートで明らかになった。

市場価値と取引活動の増加は、金の現物が1オンスあたり3000ドルを超えて史上最高値を更新したのと同時に起こった。

テザーのXAUTとパクソスのPAXGは、それぞれ7億4900万ドルと6億5300万ドルの時価総額で、圧倒的な存在感を示している。

レポートによると、金連動型トークンの取引高は月間で16億ドルを超え、過去1年以上で最高の水準となった。

金連動型トークンの時価総額と取引高(CoinDesk Data)

法定通貨やコモディティに価格がペッグされたトークンを含むステーブルコイン市場全体は今月、時価総額2310億ドルを超え、18カ月連続で成長したとレポートは伝えている。

市場最大のステーブルコインであるテザー社のUSDTも、時価総額が過去最高の1440億ドルに増加した。しかし、市場シェアは2023年3月以来の低水準(62.1%)に落ち込み、ステーブルコインの競争は激化している。第2位のステーブルコインであるサークル(Circla)のUSDコイン(USDC)の時価総額は、1カ月で7%増加し、600億ドル近くに達した。

分散型金融プロトコルのエセナ(Ethena)が最近ローンチしたドル連動型ステーブルコインUSDtbは、ブラックロック(BlackRock)のトークン化されたマネーマーケットファンドBUIDLを準備資産として使用しており、あっという間に10億ドル以上の資産を集め、時価総額で第8位になった。

中央集権型取引所での取引高で見ると、USDTの優位性はわずかに低下したが、それでも上位10のステーブルコインの中で月間を通じて75.7%と競合を上回っていた。一方、USDCと香港を拠点とするファースト・デジタル(First Digital)のFDUSDは、時価総額の比率がそれぞれ13.6%と10%に上昇した。

各取引所がMiCAの枠組みを遵守するために動いたため、ユーロ連動型ステーブルコインの市場には変化が見られた。クラーケン(Kraken)は、コインベース(Coinbase)やCrypto.comといった他の取引所に続き、欧州のユーザー向けにUSDTやその他の非準拠のステーブルコインの上場を廃止した。

この展開から恩恵を受けたのがサークル社のEURCステーブルコインで、30%近く成長して時価総額は1億5700万ドルに達し、ユーロ連動型ステーブルコインの市場シェアの45%を獲得した。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Scottsdale mint/Unsplash
|原文:Tokenized Gold Hits Record $1.4B Market Cap as Trading Volumes Soar in March