ゲームストップ株、ビットコイン購入資金調達のための転換社債発行計画発表後に25%急落

• ゲームストップ（GameStop）の株価は3月27日、25％急落し、同社がビットコイン（BTC）購入計画を発表してからの上昇分をすべて帳消しにした。
• 同社のビットコイン購入資金調達のための13億ドル（約1963億円、1ドル＝151円換算）のゼロクーポン転換社債の募集は、当初は興奮を持って迎えられたが、詳しく検討するうちに投資家らの熱意は冷めていった。
• アナリストらは、転換社債発行前にゲームストップの株価は下落を続けると予測している。

経営不振に陥っていたビデオゲーム小売業から一転してミーム株取引の寵児となったゲームストップの株価は3月27日、25％急落し、今週初めに同社がビットコインを準備資産に追加すると発表してからの上昇分をすべて帳消しにしてしまった。

ゲームストップ株はセッション中に21ドル強と、10月以来の安値まで下落。26日のピークである30ドル近くからは28％以上値下がりした。

この値動きは、同社が26日遅く、ビットコイン購入計画の資金を調達するため、13億ドルのゼロクーポン転換社債を発行する計画を発表した後に起こった。

暗号資産（仮想通貨）関係者の間に最初の陶酔感の波が押し寄せた後、27日に投資家がその計画を詳しく検討した後に、盛り上がりは沈静化した。

Mimesis Capitalの最高投資責任者であるルイス・リュー（Louis Liu）氏はXの投稿で「多くの既存の株主がこの動きを嫌っているため、大規模な切り替えが起こっている」と述べた。

この急激な売りは、転換社債の価格設定期間にも関係している可能性がある。社債の買い手候補が株を売ったり空売りしたりしている可能性があるためだ。

CoinDeskのシニアアナリスト、ジェームス・ヴァン・ストラテン（James Van Straten）は、マイクロストラテジー（マイクロストラテジー）とセムラー・サイエンティフィック（Semler Scientific）の株価も、転換社債の価格設定期間に下落したと指摘した。

「特に、転換社債投資家が受け取る金利はゼロで、ゲームストップのミーム現象があと5年は続くと信じることが求められることを考えると、ゲームストップの株価は転換社債の発行前にさらに下落するのではないか」と、ゲームストップ株にアンダーパフォームの格付けを与えているウェドブッシュ（Wedbush）のアナリスト、マイケル・パクター（Michael Pachter）氏は述べた。

パクター氏は、ゲームストップはストラテジー社の戦略に従っているが、ストラテジー株は保有ビットコインの価値の2倍以下で取引されているのに対し、ゲームストップ株は保有現金の2倍以上で取引されていると主張した。

「転換社債の募集は完全に失敗に終わると見ている」とパクター氏は語り、次のように続けた。

「ゲームストップがその現金をビットコインに変換する可能性のために、投資家が保有現金の価値の2倍以上を支払うとは考え難い。特に、投資家が自らビットコインやビットコインETFに投資できることを考えると、なおさらだ」。

ゲームストップは、その保有現金の一部をビットコインに変換するウォールストリート企業の一社に過ぎない。このトレンドは、現金準備金を使ってビットコインを購入すると発表したビットコイン支持者マイケル・セイラー氏率いるストラテジー社から始まった。

ビットコイン財務戦略採用後のストラテジー社の成功によって、多くの企業が後に続いた。特に最近では、ドナルド・トランプ米大統領が米国をデジタル資産開発の中心にすると約束しているため、その傾向が顕著になっている。

セイラー氏は以前から、より多くの企業、特に多額の現金準備を持つ企業、さらにはアメリカという国が、準備戦略としてビットコインを採用することを推奨してきたが、誰もが同意しているわけではない。

「ビットコインを買う企業に賭けるのは、良い投資戦略とは言えない」と、ビットコインに批判的なことで有名なエコノミストのピーター・シフ（Peter Schiff）氏はXへの投稿で述べ、次のように続けている。

「ゲームストップは、昨日のビットコイン購入計画発表に触発された15％の上昇分をすべて失った。株価は2日間で2％下落している。すべての愚か者がすでに殺到した今、より賢明な投資家は、ビットコインを買うために現金を浪費することは、長期的に通用するビジネスモデルではないことを理解し、売却している」。

｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：Tigarto / Shutterstock.com
｜原文：GameStop Tumbles 25% Following Bitcoin Convertible Bond Plan. What’s Happening?