「ジブリ風」AI画像が話題のなか、OasysがIP保護に向けた取り組み開始──アニメチェーンと提携

「ジブリ風」AI画像がSNSを賑わし話題を集める一方で、著作権についての疑問や懸念が浮かび上がっている。

こうした状況を受けて3月29日0時、日本発ブロックチェーンのOasys(オアシス)は、アニメチェーンと提携し、AI時代のIP保護に向けた取り組みを開始すると発表した。

生成AIによる画像生成については、以前から著作権についての疑問や懸念が指摘されていたが、今回、問題がより注目されるようになったのは、Chat GPTを手がけるOpen AIが3月25日に発表した新しい画像生成機能を使って、多くの人が「ジブリ風」画像を生成、SNSに投稿していることにある。

Open AIのサム・アルトマンCEOも、26日、Xのプロフィール画像を「ジブリ風」の画像に変更した。29日0時というリリース発表時間は、問題の緊急性を表していると言えるだろう。

〈Open AIのサム・アルトマンCEOのXプロフィール画像〉

Oasysは「ゲーム特化型ブロックチェーン」を掲げて登場、ゲームやアニメなどのIP事業者/IPホルダーがパートナーとして多数参画している。またアニメチェーンは、アニメ業界の持続的成長を支援することを目的としたプロジェクだ。

リリースは冒頭、「昨今のAI技術の急速な進歩により、AIを活用した新たなクリエイティブ制作が生まれています。一方で、IP(知的財産)の不正利用や著作権侵害の問題が世界規模で拡大しており、IP事業を展開する企業やクリエイターの保護がより一層求められています」と記している。

具体的には、Oasysは「アニメチェーンが掲げるAI時代においてもIPの保護や管理を行うことができる仕組みを取り入れ、共同で実証実験」を行い、「多くの著名IPを排出する日本から立ち上がったプロジェクトとして、日本を初めとするIPの健全な活用をグローバルで推進するため」、アニメチェーンとともに最前線で取り組んでいくという。

アニメチェーンの三瀬修平CEOは「AIは自然に成長するものではなく、クリエイターが生み出した創作物——いわば“魂”を学習することで進化します。私たちは、その学習に貢献したクリエイターたちが正当に報われる仕組みを構築しています」とリリースに記している。

Oasys Representative Directorの松原亮氏も「アニメチェーンとの協業を通じて、クリエイターやIPホルダーが適切な収益を得られる仕組みを構築し、日本のIP産業が安心してグローバルに展開できる環境整備に尽力してまいります」と述べている。

|文:増田隆幸
|画像:リリースより