ビットコイン、8万2000ドルに下落──マクロ経済への懸念でリスク資産を回避

- ビットコインは24時間で3%下落。XRP、ビルドアンドビルド、ソラナは4~5%の下落となった。
- 暗号資産取引所で3億ドル以上のロングポジションが清算された。
- PAXGやXAUTなどの金担保型トークンは市場の変動の中で上昇した。
暗号資産(仮想通貨)価格は過去数時間で急落し、ビットコイン(BTC)は過去24時間で約3%下落している。エックス・アール・ピー(XRP)やビルドアンドビルド(BNB)、ソラナ(SOL)などの主要アルトコインも同期間に4~5%の下落となった。
CoinDesk 20 Index(CD20)に代表される暗号資産市場全体は、この期間に約3.3%下落した。この急落により、ビットコインの今週のパフォーマンスは1.7%の下落、CD20は約5%の下落となった。
CoinGlassのデータによると、過去24時間で中央集権型暗号資産取引所において3億ドル(約450億円、1ドル150円換算)以上のロングポジションが清算された。一方ショートポジションは3880万ドル(約58億2000万円)清算された。
今回の下落は、トレーダーの間のより広範なリスク回避の動きの一環であると思われる。投資家は4月2日に発効する予定のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の相互関税の影響を予想している。この動きは、29日に発表されたコアPCE(個人消費支出)のデータが予想を上回ったことで加速した。
今週発表された消費者信頼感指数は予想以上に低下した。将来期待指数は12年ぶりの低水準となり、差し迫った景気後退を示す水準を大きく下回った。
こうした要因が重なったことで投資家はリスク資産へのエクスポージャーを減らし、安全資産への逃避が発生した。CoinDesk Dataの最新のステーブルコインレポートによると、金担保型暗号資産はこのリスクオフの動きの恩恵を受けており、時価総額は3月に14億ドル(約2100億円)を超えた。
実際、金担保型暗号資産は市場の弱気トレンドに逆行している。CD20が過去24時間で3%以上下落する中、パックスゴールド(PAXG)やテザーゴールド(XAUT)などの暗号資産は0.7%上昇し、価格は3100ドル(約46万5000円)を超えた。こうした暗号資産は年初来で18%以上上昇しているのに対し、ビットコインは12.5%下落し、CD20は28%下落している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Why Is the Crypto Market Down Today? Bitcoin Drops to $82K as Traders Flee Risk Assets Amid Macro Worries