ビットコインの普及拡大を促すソリューションとして注目を集めているのが、ライトニングネットワーク。少額の支払いができ、手数料も減らし、取引(トランザクション)スピードを大幅に上げることが可能だ。
このライトニングネットワークに勢いを与えるキーマンの一人が、Twitterとモバイル送金アプリを展開するスクエア(Square)の最高経営責任者(CEO)、ジャック・ドーシー氏だ。同氏は、ライトニングネットワークを開発するライトニング・ラボ(Lightning Labs)にも投資している。
ドーシー氏は、ビットコインのポッドキャストを運営するステファン・リベラ氏(Stephan Livera)とのインタビューで、ライトニングネットワークとスクエアのモバイル送金アプリとの一体化を検討していると話した。
「もはや、『もし』という言葉を使う必要はないだろう。むしろ、『いつ』『どう』具体的に、我々が必要とするその技術のスピードと効率性を使うのかという問題だ」とドーシー氏。「貨幣という大きな側面において、何としてでも可能にしていければと思う」と加えた。
ドーシー氏の言及に対して、スクエアの広報担当からのコメントは得られなかった。
スクエアの送金アプリ、Cash Appの月間アクティブユーザー(MAU)は2018年に700万人に達したと報じられている。その企業の指揮をとるドーシー氏は2019年2月5日、ライトニング・トーチ(Lightning Torch)と呼ばれる運動に参加。この活動は、参加者がライトニングネットワークで他の参加者からビットコインを受け取り、それに少額を追加して他の信頼できる人に送金するというもの。会話はツイッター上で行われる。
この活動におけるツイッターでの会話がきっかけとなり、リベラ氏がドーシー氏をポッドキャストにゲストとして呼んだ。現在までに、175名がライトニング・トーチに参加している。
「ジャック(ドーシー氏)が参加して、トーチはバイラル化した(広がった)」と、ライトニング・ラボCEOのエリザベス・スターク(Elizabeth Stark)氏は、CoinDeskへのテキストメッセージで述べている。「トーチの力を強く感じたのは、ライトニングがインターネットを通じて世界の誰に対しても素早く送金できることを証明できたことだ。インターネットが情報に立ち向かったように、私たちはお金に対して向かっていく」
実際、スクエアのCash Appアプリに今後、ライトニングが実装されるのかについて、スターク氏は、「ポッドキャストによれば、そういうことになる」とコインデスクの取材に答えている。
一方、ライトニング支持者で、少額決済ブラウザの拡張機能「ライトニング・ティッピン(Lightning Tippin)を開発したセルジオ・アブリル(Sergio Abril)氏によると、2018年12月のローンチ以降、ユーザー数は3000人を超え、米ドル換算で7466ドル相当のビットコイン取引を促したという。
ライトニングネットワークの今後の拡大において、アブリル氏はこう加えた。
「(スクエアのCash Appは)ライトニングをマスに広げる力を持っている」
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Jack Dorsey image via CoinDesk archives
原文:Square CEO Jack Dorsey Says Bitcoin’s Lightning Is Coming to Cash App