ビットコインのプットオプションに100万ドルのプレミアム──下落懸念が浮き彫りに
  • デリビットにおけるビットコインのオプション取引では、弱気の傾向が示唆されており、トレーダーが4月25日満期の7万ドルのプットオプションに100万ドル以上を費やしている。
  • 市場ではBTCプットに対する需要が高まっており、これはアメリカの関税による潜在的な経済への影響に対する投資家の不安を反映している。

3月31日、第1四半期が終わりに近づく中、デリバティブ取引所のデリビット(Deribit)でビットコイン(BTC)オプションの大規模な取引が成立し、この動きの背後にいるトレーダーの弱気な感情が明らかになった。

アンバーデータのデータによると、4月25日に期限切れとなる7万ドルのプットオプション1180契約、いわゆるブロックトレードには100万ドル(約1億5000万円、1ドル=150円換算)以上のプレミアムがついた。

プットオプションは、購入者に、将来の特定の期日に原資産をあらかじめ決められた価格で売却する権利を与えるが、それは義務ではない。プットの購入者は、基本的に市場に対して弱気であり、この場合、現在の8万4000ドル前後から7万ドル以下に値下がりすると予想していることになる。

ブロックトレードとは、市場の取引レートに影響を与えないように、通常は機関投資家によって公開市場外で取引される大口の相対取引だ。

その他の注目すべき取引には、行使価格7万5000ドルのプットのロングポジションと同7万ドルのプットのダブルショートポジションを特徴とするプット・レシオ・スプレッド、およびペリオン・キャピタル(Pelion Capital)の創設者であるトニー・スチュワート(Tony Stewart)氏が指摘したように、9万ドルのコールオプションのロングポジションと7万ドルのプットオプションのショートポジションを伴うリスクリバーサル(プットオプションと比較したコールオプションのインプライド・ボラティリティのプレミアムを測定する)もあった。

[ビットコインオプションのブロックトレード。:Amberdata/Deribit]

7万ドルのプットの弱気な流れは、先週、4月4日満期の7万8000ドルから8万5000ドルのプットオプションの購入に続き、4月25日満期の7万6000ドルのプットオプションの需要増加に続くものだ。

大まかに言えば、BTCプットはコールよりも高値で取引されており、リスクリバーサルのマイナス値からも明らかなように、5月末満期までの下落傾向を示している。

[ビットコインのリスクリバーサル。:Amberdata/CoinDesk]

下落リスクを回避するプットへのバイアスは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が4月2日に発表すると予想される報復関税を巡る投資家の不安を反映している可能性が高い。積極的な動きは、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産に重しとなる可能性がある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Put Option Trade With $1M Premium Highlights Concern Over Declining BTC Price