ステーブルコイン大手サークル、IPOを申請

- ステーブルコインのUSDコイン(USDC)を発行するサークル(Circle)が株式公開を計画している。
- サークル社はニューヨーク証券取引所にCRCLというティッカーで上場するため、米証券取引委員会(SEC)に「S-1」フォームを提出した。
- サークル社は2024年末時点で、ステーブルコイン事業から17億ドル(約2550億円、1ドル=150円換算)の準備金収入を報告している。
米国を拠点とするステーブルコイン発行会社サークルが株式公開に向けて動き出した。
サークル社は4月1日、米証券取引委員会(SEC)に「S-1」フォームを提出した。承認されれば、同社の株式は 「CRCL」のティッカーでニューヨーク証券取引所で取引される。
同社によると、ステーブルコイン関連の準備金管理による準備金収入は2024年末時点で17億ドルと、総収入の99.1%を占める。
サークル社は、時価総額が600億ドルでステーブルコンでは2位となるUSDCを手がけている。同社のIPOは、暗号資産(仮想通貨)業界で最も期待されてきたもののひとつであるが、その理由のひとつは、同社が何年も株式公開を試みてきたからである。
サークル社の最初の株式公開の試みであった2021年のSPAC合併は、SECの「条件を時間内に」満たせなかったために失敗したと、ジェレミー・アレール( Jeremy Allaire)CEOは当時述べている。当時の報道では、SECが同社の計画を承認しなかっただけとも言われていたが、サークル社はこれを否定した。
2度目に別の道を選んだサークル社は、2024年1月にSECにIPOのための登録草案を提出した。このプロセスは、ドナルド・トランプ米大統領の就任まで続いた米政府内の暗号資産(仮想通貨)に敵対的な環境の中で現在まで長引いていた。
3月31日には、サークル社がIPOのサポート役に投資銀行のJPモルガン・チェースとシティを採用し、40億ドルから50億ドルの評価額を目指しているとの報道が出た。CoinDeskは7月、同社がプライベートセカンダリーマーケットでおよそ50億ドルと評価されたと報じた。
プレスリリースによると、JPモルガン・チェースがシティグループと共同でリード・アクティブ・ブックランナーを務める。バークレイズ、ドイツ銀行、SGアメリカズ(SG Americas)も参加する。
株式公開を目指す暗号資産関連企業はサークル社だけではない。トランプ大統領の就任以来、リップル(Ripple)、クラーケン(Kraken)、ジェミナイ(Gemini)など、IPOを視野に入れていると噂される暗号資産企業が計画にさらに力を入れている。
人工知能(AI)企業のコアウィーブ(CoreWeave)は、ビットコインマイニング企業のコア・サイエンティフィック(Core Scientific)との強力なビジネス関係から恩恵を受け、3月28日に公開市場で株の取引が開始された。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:サークルのジェレミー・アレールCEO(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Stablecoin Giant Circle Files for IPO
※本文に加筆して、更新しました。4月2日8時12分