イーサリアムに下落トレンド終息の兆候:テクニカル分析

- トランプ大統領は報復関税を発表する見通しであり、金融市場や暗号資産に影響を与える可能性がある。
- イーサリアムのテクニカル分析指標は売り手の疲労の兆候を示している。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、アメリカを貿易相手国の不公平な慣行から「解放」するための広範囲にわたる相互関税を発表すると見込まれているため、4月2日(現地時間)は暗号資産(仮想通貨)を含む金融市場にとって重要な日となる可能性がある。
この重要な発表を前に、イーサリアム(ETH)は下落トレンドの終息の兆しが見られる。そう、読んだとおりだ。2年間にわたる暗号資産の強気相場でビットコイン(BTC)に大きく遅れをとっていたETHだが、迫り来る関税が予想よりも穏やかなものになるのであれば、主導権を握る可能性がある。
3月の安値で売り手の疲弊、ダブルボトムの可能性
イーサリアムは先週、ビットコインとともに下落したが、3月11日に記録した16カ月ぶりの安値1755ドルを弱気派が突破することはできなかった。これは売り手の疲労感や下降トレンドの限界を示す最初の兆候だ。
それ以来、価格は1880ドルまで反発し、ネックラインの抵抗線が2104ドルにあるダブルボトムの形成を示唆している。この抵抗線を突破すれば強気のブレイクアウトが確認され、測定移動平均法で次の抵抗線として特定された2400ドルへの道が開かれることになる。

強気のダイバージェンス
先週、価格が3月11日の安値を再び更新した一方で、価格と50日単純移動平均(SMA)の差を表すヒストグラムは追随せず、より高い安値を付けた。
このダイバージェンス(乖離)は、価格が下落したものの、価格の下落を促す勢いが弱まったことを示唆している。

新値3本足が強気相場に転換
価格が半値の2000ドルまで下落する長期の下落傾向の後、新値3本足チャートが強気相場に転換し、市場心理に大きな変化が現れた。この変化は、日足チャートに緑色のバーが現れたことで示され、価格動向の反転の可能性を示している。

3月初旬に強気のシグナルを示した新値は短命に終わり、弱気の罠であることが判明した。しかし、前述のローソク足チャートに示された下降トレンドの終息の兆候を伴っているため、最新の強気の転換はより信頼性が高いように見える。
とはいえ、マクロ要因が単独でチャートの形成を左右することもあり得る。つまり、トランプ大統領の関税を背景とした広範囲にわたるリスク回避が、上述の強気シグナルをすべて無効にし、イーサリアムの損失をさらに拡大させる可能性もある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Shows Signs of Downtrend Exhaustion as Trump’s ‘Liberation Day’ Tariffs Loom